秘密安心往生要集・・37/42
(丗六、六字大明呪準胝佛母の呪功能の事。)六字大明の真言(大乗荘厳寶王経。是如意輪観音の真言なり)。
「おん まに はんどめい うん」(梵字)。経に曰く「若し此の呪を誦せば所在の處に随って無量の諸佛菩薩天龍八部集會し又無量の三昧法門を具す。誦持の人の七代の種族皆解脱することを得。腹中の諸蟲までも當に菩薩の位を得べし。是の人は日日に六波羅蜜を具することを得て功徳を円満し無盡の辨財清浄の智聚を得て口中より出すところの気、他人の身に触れば諸の瞋毒を離れて當に菩薩の位を得べし。設ひ若し四天下の人皆七地の菩薩の位を得ん。彼の諸の菩薩の所有の功徳は六字の呪一遍を誦する功徳と等して異あることなからん。此の呪は是観世音菩薩微妙の本心なり。若し人此の六字の大明を書写せば則ち八萬四千の法蔵を書写するに同じ。若し金寶を以て如来の像を造ること数微塵の如くならんんも此の六字の中の一字を書写するに功徳にはしかじ。若し人此の六字の大明を得ば是の人は貪瞋痴も染著することあたはず。若し此の呪を守りとせば貪瞋痴の病に染著せられじ。此の戴持の人の身手に触るところ眼に覩ところの一切有情は速やかに菩薩の位を得て永く復生老病死の苦を受けじと。乃至広く説けり。具に造ること能わず。
七倶胝佛母心大準提陀羅尼(経三部あり。又寶王経に出す)「のうぼう さったなん さんみゃくさんぼだくちなん たにゃた(以上は帰命の句) おん しゃれい そんれい そんでい そわか」
佛の言はく、此の呪は能く十悪五逆の一切の罪障を滅し一切の白法の功徳を成就す。此の呪を受持する者は在家と出家とを問ず酒を飲み肉を食し妻子を帯すとも浄穢を揀ばず。但し至心に持誦すれば能く短命の衆生をして壽を増せしめ無量の迦摩羅疾(黄疸)すら尚除差することを得。況や余の病、若し消差せずといはば是處(ことわ)りあることなからん。若し誦じて四十九日を満ぜば準提菩薩二人の菩薩をして常に其の人に随逐せしめ所有(あらゆる)善悪の心の所念皆耳の邊に於て一一に具に報ぜしむ。若し無福無相にして貧苦に逼られ官を求るに遂げずんば常に此の呪を誦せよ。能く現世に輪王の福を得せしめ求る所の官位意に任せて称遂ぐべし。若し智慧を求る者は大智慧を得ん。女人の男子を求め、女子を求めんに皆意の如くなること如意宝珠の一切の願を満ずるが如くならん。火も焼くことあたはず、水も溺すことあたはず、毒薬怨家軍陣強賊及び悪龍獣鬼魅等も害せず。大勢力を得て須弥山を移し大海水を竭し、乾枯の木を加持すれば花菓を生ぜしめん。何に況や更に能く法に依りて持誦すれば肉身を転ぜずして大神通を得て兜率天に往くべし。若し一百万遍を誦じ満ずればすなわち十方の浄土に往詣することを得て諸仏に歴事し普ねく妙法を聞きて菩提を得証すべしと。
無辺の功徳具さに述べることあたはず。
不動明王慈救の呪(大日経に出)
「なうまくさんまんだ ばざらだん せんだま かろしゃだ そはたや うむたらた かんまん」(梵字)
地蔵菩薩真言(大日経に出)
「おん かかか びさんまえい そわか」(梵字)
毘盧遮那佛大灌頂光明真言(不空羂索経に出)
「おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まに はんどま じんばら はらばりたや うん」(梵字)
以上十二通りの秘密呪誦せんと思ふ人は必ず阿闍梨に随って授かりて後に唱ふべし。然らざれば越三昧耶とて佛の制法を背く過ありと。必ず一七日精進潔斎して後に伝授すべし。
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