福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

修験宗旨書・・・3

2017-12-03 | 諸経
修験宗旨書・・・3
体相用三大事第三(大日如来は諸尊の総体、衆生の根源である。大日如来は体相用の三大を具したまう。体は六大、相は四種曼荼羅、用は身口意の三密である。)
それ我が高祖大日如来は三世常住普門法界の内証、無始無終万徳輪円の体性なり。しかれば即ち諸尊の総体、衆生の根源なり。この佛、体相用の三大を具したまふ。
・所謂体大とは六大なり。先ず体とは地・方・黄・堅・梵字の阿、水・円・白・湿・梵字のび、火・三角・赤・煓・梵字のら、風・半月・黒・動・梵字のうん、空・団形・青・無碍・梵字のきゃん、識・円相・衆色・了別・梵字のうん、以上六種、情非情遍じて無辺なり。故に六大といふ。上諸仏より、下衆生に至るまでこの六大を以て所依として建立す。故に体大といふ。他宗は万法を無色真如と談ず。ただ道理のみあってその法体を顕さず。修験の意は六大を以て体性となし、本有金剛色荘厳仏体を顕すなり。これ即ち最極大悲法界塔婆なり。
・次に相大とは、所謂四種曼荼羅、諸尊相好具足の身足なり。或は亦黄白赤黒等の五大色交えて一切世間出世の色法と顕はす。是皆大曼荼羅なり。二に、三昧耶曼荼羅とは諸尊所持の器杖等なり。或は亦国土・器界・方円と長短の刑、みな是三昧耶曼荼羅なり。三昧耶とは此れ平等といい五大の形なり。三に法曼荼羅とは諸尊の種字真言一切経論の文義及び所出の言語、皆是法曼荼羅なり。法とは軌持の義なり。四に羯磨曼荼羅とは諸尊の威儀事業及び捏・鋳・剋等なり。羯磨これは事業といふ。上の三曼荼羅の上の各々の事業その徳用を施して衆生の依怙となる。皆是羯磨曼荼羅なり。曼荼羅とは此には輪円具足と翻ず。四種おのおの万徳を修して迷悟染浄の相一念なり。この故に曼荼羅と名ずく。
・次に用大とは、身口意の三密なり。一に身密とは手に印契をなすこと、及び一切の言語は口業なり。三に意密とは心に阿字を観じ及び事に経て念慮をおこす一切の意業なり。この三業の作用は不思議の内証にして諸仏もよく見聞すること能わず。故に密という。以上の三大は法界に周遍して有情・非情の名徳となる。一切衆生の色心は全くこれ六大四曼三密の体性なり。凡聖同一にしてしかも毫髪の隔も無し。此の理を覚るを成仏と名ずけ、理に迷うを凡夫と号す。経にいわく「六大無碍常瑜伽、四種曼荼各々不離、三密加持速疾顕、重重帝網名即身。 ( 『即身成仏義』 )」と。即身とは、五体本有の理体、成仏とは識大本覚の智徳也。然れば則ち即身成仏とは六大法性也。生佛迷悟法然として動かず。修験の行者常にこの深義を観じ、法身の境界に安らうべきなり。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 高野山参拝記 | トップ | 今日3日は天赦日です »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

諸経」カテゴリの最新記事