福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

今日1日は仲秋の名月です。

2020-10-01 | 法話
今日1日は仲秋の名月です。
以下五來重「宗教歳時記」から関連部分を抜き書きしておきます。「・・名月を賞することは花鳥風月を愛する日本人にふさわしいことだし、ことに雪月花は自然美を代表するものである。・・白楽天の「三五夜中新月の色、二千里外故人の心」(「八月十五日夜 禁中に独り直し月に対して元九を憶ふ・白居易」
 「銀台金闕 夕に沈沈たり。独り宿し相ひ思ひて翰林に在り。三五夜中 新月の色。二千里外 故人の心。渚宮(しょきゅう。友人・元稹のいる江陵にある宮殿の名。
)の東面 煙波冷たく。浴殿の西頭 鐘漏(しょうろう。時鐘と水時計)深し。猶ほ恐る 清光 同じくは見ざるを。江陵は卑湿にして 秋陰足る。」)が又名月へのあくがれをかきたてる。・・・(しかし農民にとってはお月さまは豊作を祈る対象であったので)七草を月の神霊の依り代としてこれに萩の餅や芋や豆や栗をそえて神祭をしたのである。・・名月の晩には子供たちが芋殼を巻き込んだ巻藁をつくり地面をたたいてまわる行事が関東東北地方にのこっているがこれは縄文時代の収穫祈願祭であると解するが・・平安末期には踊念仏になっていった。・・念仏や呪歌で悪魔を鎮める鎮魂の呪術だったことがこの資料でわかる。すなわち「尺素往来」に「九月十三夜東北院(京都の時宗寺院)念仏は・・都人競って赴かざるはなし。・・況や月を翫ぶは往哲の法式、念仏は来世の資糧なりと。・・かの寺に参向しその場を暦覧するに絲竹声々の調べ、歌舞面々の態、視聴の感、あたかも飽くことなし・・」とある。
そういえば十年近く前太龍寺で求聞持を行じさせて頂いたときも丁度仲秋の名月の日があり、毎日御本尊の星にお供えをするのですがお月さまにもお供え物をした覚えがあります。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「大内青巒居士の戒思想」の... | トップ | 今日は十斎日です »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

法話」カテゴリの最新記事