福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

太上感応篇(全編)

2022-01-17 | 諸経


太上感応篇(全編)



太上感応篇(道教の経典。南宋 の李昌齢 が太上老君 (老子) のお告げをまとめて編んだ)

太上 曰わく

 禍福は門無し。唯人自からまねく。善悪の報いは影の形に随ふが如し
是を以て天地には司の神有りて、人の犯す所の軽きと重きとによりて
以て人の算(いのちのかず)を奪う。算減ずる時は則ち貧しくおとろえ、多く憂い患しみに逢う。人は皆これを悪み、刑禍はこれに随い、吉慶は之を避け、悪星は之に災いし、算(いのちのかず)尽くれば則ち死す。
又、三台(星の名)、北斗(北極星付近にある星座)の神君有り
人の頭上にいまして、人の罪悪を記し、その紀算(いのちかず)を奪う。
又、三尸の神有りて、人の身中にあり庚申の日に至る毎に、天曹(たかまのはら)に上昇りて人の罪過を言う。月晦(つごもりのひ)毎に竈の神もまたしかり。凡そ人に過ち有るときは、大いなる紀(としかず)を奪い、小しきときは算(かず)を奪う。その過ちには大小数百有り。長生を求めんと欲する者はまず須らく之を避くべし。
 
是道(よきみち)には則ち進み、非道をば則ち退く。邪径を履まず、暗屋(くらきところ))を欺かず、徳を積み、功(いさおし)を累(かさ)ねよ。心を物に慈み、忠孝友悌なれ。己を正しくして人を化(おしえ)、孤(みなしご)を矜(あはれみ)、寡をめぐみ、老いたるを敬い、幼きを懐(なつけ)、昆虫草木をもなお傷なうべからず。、
よろしく人の凶を哀れみ、人の善を喜び、人の急を済い、人の危うきを
救い、人の得たるを見ては、己が得たるが如く、人の失えるを見ては、己の失える如く、人の短を彰さず、己の長なるを衒うことなく、悪をとどめ善を揚げよ。多きをゆずりて少なきをとり、辱めを受けて恨まず、寵をうけては驚くが如く、恩を施しては報いを求めず、人に与えて後悔せざざるは、所謂善人なり。人皆之を敬い、天道は之を助く。福禄は之に随い、衆邪は之に遠ざかり、神霊(あまつかみ・くにつかみ)は之を守り、作(な)す所は必ず成る
。神仙をもねがひつべし、天仙たらんを求めんとする者はまさに千三百の善を立つべし。地仙を求める者はまさに三百の善を立つべし。
 もし或いは、義に非ずして動き、理に背いて行い、悪を以て能となし、忍びて残害を成し、陰かに良善を賊そこない、暗く君(天皇)と親をあなどり、その先生を慢あなどり、そのつかふるところに叛き、もろもろの無知なる者を誑(たぶら)かし、もろもろのともだちを謗り、虚誣詐偽、宗親(みのやから)を攻めあばき、剛強不仁(こころつよくしてあわれみなく)、狼戻自用(そむきもとりてわがままに)、是非不当(よしあしことはりあたらず)向背乖宜(むかふもそむくもよろしきにもとり)、虐下功首(しもをしいたげてこうをとり)、諂上希旨(かみにへつらひてみこころをねがひ)、受恩不感(おんをうけてかんぜず)、念怨不休(あだをおもふてやまず)、軽蔑天民(あまつたみをかろしめないがしろにし)、擾乱国政、賞及非義(たまものはわるびとにおよび)、刑及無辜、殺人取財、傾人取位(ひとをかたむけてくらいをとり)、誅降戮服(くだるをころしまつろへるをころし)、貶正排賢(ただしきをおとしかしこきをしりぞけ)、凌孤逼寡(みなしごをしのぎやもめをせめ)、棄法受賂欺(ほうをすて、まいないをうけ)、以直為曲(なおきをもってまがれるとなし)以曲為直(まがれるをもってなおきとなし)、入軽為重(かろきつみをいれておもきつみとなし)、見殺加怒(ころさるるをみていかりをくわえ)、知過不改(あやまちをしれどもあらためず)、知善不為(よきことをしれどもなさず)自罪引侘(おのがつみにたをひき)、方術壅塞(ほうじゅつをさまたげふさぎ)、殃謗聖賢(せいけんをあなどりそしり)、侵凌道徳(どうとくををかししのぎ)、射飛逐走(とぶをいて、はしるをおい)、發蟄驚棲(こもるをあばきすめるをおどし)、填穴覆巣(あなをうずめすをこぼち)、傷胎破卵(はらめるをやぶりかいこをわり)、願人有失(ひとのとがあらんことをねがい)、毀人成功(ひとのなすいさほしをやぶり)、危人自安(ひとをあやぶめてみずからたのしみ)、減人自益(ひとをへらしておのれをまし)、以悪易好(あしきものをもってよきものにかえ)、以私廃公(わたくしをもっておおやけをすて)、窺人之能(ひとののうをぬすみ)、蔽人之善(ひとのぜんをおおい)、形人之醜(ひとのみにくきをあらわし)、訐人之私(ひとのわたくしをあばき)、耗人之貨財(ひとのたからをへらし)、離人之骨肉(ひとのみなかをへだて)、侵入之愛(ひとのあいするところをおかし)、助人為非(ひとのわるごとなすをたすけ)、逞志作威(こころざしをたくましくしていきおいとなし)、辱人求勝(ひとをはずかしめてかたんことをもとめ)、敗人苗稼(ひとのなえなりわいをやぶり)、破人婚姻(ひとのよめとりをやぶり)、苟富而驕(いやしくもとみておごり)、免れて恥なく、認恩推過(めぐみをとめてとがをゆずり)、嫁禍売悪(わざわいをなかだちしあくをうり)、沽買虚誉(むなしきほまれをうりかい)、包貯険心(さがしきこころをつつみたくわえ)、挫人所長(ひとのながきところをとりひしぎ)、護己所短(おのがみじかきところをまもり)、威にのりて迫せめ脅かし、縦暴ほしいままに殺傷つけ、無辜にして剪裁し、非礼にして煮宰につころしつ、五穀を散らし棄すて、衆生を労租くるしめみだし、人の家を破ってその宝を取り、水を決さくり、火を放って、以て民居を害し、紊乱規模(のりことをみだりて)以敗人功(もってひとのいさおしをやぶり)、損人器物(ひとのうつわものをそこなひて)、以窮人用(もってひとの用をふさぎ)、見他栄貴(ひとのさかえたっときをみて)願他流貶(ひとのおちぶれなんことをねがい)、他の富有るをみては、他の破れ散らんことを願い、他の美色を見ては、心を起こして之を私おもひ、他の財貨を負うて他の死なんことを願ひ、干求もとめもとめて、遂げざれば、便ち呪い恨みをおこし、他の便り失うを見ては便ち他の過を説き、他の体相不具をみては、しかもこれを笑ひ、他の才の称むべきをみては而ちこれを抑へ、埋蠱(こ・・まじないに使う虫)厭人(まじものをうずみてひとをのろひ)、用薬殺樹(くすりをもってきをからし)、恚怒師傳(ものおしえをいかり)、抵触父兄(ちちこのかみにあたりふれ)、強取強求(しいてとりもとめ)、好侵好奪(このんでおかしこのんでうばい)、繊掠(ろりゃく)到富(かすめおびやかしてとみえおいたし)、巧詐求遷(たくみいつわりてうつらんことをもとめ)、賞罰不平(たまものつみたいらかならず)、逸楽過節(たのしみほとにすぎ)、苛虐其下(そのしもをしいたげて)、恐嚇於他(ひとをおどし)、怨天尤人(てんをうらみひとをとがめ)、訶風罵雨かぜをしかりあめをのり、闘合争訟いさかはせてあらそうったえしめ、妄遂朋党みだりにかとうどにしたがい、用妻妾語つまそばめのことばをもちいて、違父母訓ちちははのおしえにたがひ、得新忘故あたらしきをえてふるきをわすれ、口是心非くちはよくてこころはわるく、貪冒於財たからをむさぼりくらみて、欺罔其上そのかみをあざむきしゐ、造作悪語さかなきことばをつくりて、讒毀平人とがなきひとをそしりそこなひ、毀人称直ひとをそしるをなおしとい、罵神称正かみをそしるをただいとい、棄順效逆じゅんをすててぎゃくにならい、背親向疎したしきにそむきうときにむかい、天地に指さして以て鄙懐(きたなきこころ)を證(しる)さしめ、神明を引いて而も猥事を鑑(てら)さしめ、施し與て後に悔やみ、仮借不還かるをかえさず、分外営求かぎりのほかにいとなみをもとめ、力上施設ちからのほかにかりつかい、淫欲過度、心毒慈貌こころににくみてかたちにあわれみ、穢食(い)人(けがれたるいいをひとにかい)左道惑衆あやしきおこないひとをまどわし、短尺狭度みじかきさし・せまきはば、軽秤小升、以儀雑真いつわりをもってまことにまじえ、採取奸利かたましきりをつみとり、壓良為賤ひとをおとしてやっことなし、謾驀愚人おろかなるひとをあざむきいつわり、貪婪無厭むさぼりむさぼりてあくことなく、呪詛求直じゅそしてなおからんことをもとめ、嗜酒悖乱さけをこのんでくらみみだれ、骨肉忿争、男不忠良、女不柔順、不和其室そのつまやわらがず、不敬其夫、毎好矜誇つねにおどりをこのみ、常行妬忌つねにねたみをおこない、無行於妻子つまこにおこないなく、失礼於舅姑うやまいをしゅうとしゅうとめにうしない、軽慢先霊さきつみたまをあろしめあなどり、違逆上命、作為無益あやなきことをつくりなし、懐挟外心よそごころをいだきさしはさみ、自呪呪他みずからじゅしてたをのろい、偏憎偏愛、越井越竈ゐをこえへっついをこえ、跳食跳人くいものをおどりひとをおどり、損子堕胎うまれごをころしはらみごをころし、行多隠僻おこないにおぐらきひがごとおおく、晦臘歌舞つごもりしわすにうたいまい、朔旦号怒ついたちあしたにさけびいかり、対北涕唾きたにむかいてはなかみつばはき、及び溺ゆばりし、対竈吟詠かまどにむかいてうたうたい、及び哭なみだたれ、又竈火をもって焼香、穢柴にて食を作り、夜を起きて裸露になり、八節(立春・春分・立夏・夏至・立秋・秋分・立冬・冬至)に行刑、流星に唾をはき、虹霓(にじ)に指さし、輒指(ちょうし)三光(たやすくひつぎぼしをゆびさし)、久しく日月を見、春月燎猟はるのつきにやきがりをし、対北悪罵(きたにむかいてののしり)、無故殺亀打蛇(ゆえなくかめをころしへびをうつ)、如是等罪(このごときのつみ)、司命(いのちのかみ)其の軽さ重さに随って其の紀算(いのちのかず)を奪う。算尽きれば則ち死す。死しても残りの責あれば、乃ち殃い子孫に及ぶ。又諸横(よこしまに)人の財をとるもの、乃ちその妻子の家口をはかりて以てこれをあてるに、漸く死に喪ぶにいたらしむ。もし人喪びざるときは則ち、水火盗賊器物(たから)をうしない亡ぼし、疾病口舌の諸事あってこれをもって妄りに取るの値にあてる。又まげて人を殺す者は是刀兵にかえて相殺すなり。非義の宝を取る者はたとえば漏脯(ろうほ・・においのする干し肉)の飢えを救い、鳰酒(ぶすさけ)の渇きを止めるが如し。暫し飽かざるにはあらず、死もまたこれに及ぶ。夫れ心に善を起こせば、善いまだつくらずと雖もすなわち吉神すでに之に随う。或は心に悪をおこせば悪いまだ作らずといえども而なわち凶神すでにこれに随う。其れかって悪事を行うこと有と雖も、後に自ずから改め悔いて諸悪莫作、衆善奉行(すれば)、久しくして必ず吉慶を獲、所謂禍を転じて福となすなりと。故に吉人善を語り、善を行う。一日ごとに三善あれば三年にして天必ずこれに福をくだす。凶人は悪を語り、悪をおこなう。一日ごとに三悪あれば三年にして天かならず之に禍をくだす。なんぞ勉めてこれを行わざる。(以上)

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