福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

四国八十八所の霊験その78

2014-07-17 | 四国八十八所の霊験
55番南光坊本堂の反対側に向かい合って大師堂があります。
昔の案内書には「出入り自由の大師堂」とありますが今は締め切ってあり、縁側に座して読経しました。
55番南光坊境内には川村驥山(きざん)の筆塚があります。ご子息の龍洲師には書を教えていただいたことがあり懐かしく写真に収めました。




川村驥山(きざん)は、昭和25年に書道家としては初めて、芸術院賞を受けた人です。 彼は昭和29年より令嬢をともなって遍路行。 その時に被っていた菅笠には「応無所住而生其心」(おうむしょじゅうにしょうごしん)と書かれており南光坊に保存されているといいます。

 これは金剛般若経にでてくることばで「まさに住する所無くしてその心を生ずべし」と読みます。
 「 この世のものは無限の過去から無限の縁により生じ無限に変化し続けてやまないものなのだ。従って一つ一つの目の前の出来事に心がとりついているのはつまらない。本来こころは現象を越えていて宇宙よりも広大無辺なものである。」とでも言うことでしょうか。

55番南光坊のご本尊は88所中唯一の大通智勝佛で御真言は「オンマカ ビジャニヤジャニヤ ノウビイブウ ソワカ」です。
しかし本堂にはご真言は「南無大通智勝佛」と書いています。大通智勝佛は法華経傾城喩品にでてくるほとけさまで、お釈迦様の遥か昔に出現され16人の王子と共に法華経を説かれたとされています。この中の王子の一人がお釈迦様でした。


納経所のおじさんは20年前に廻った時作った私の納経帖をもう一人の中年のお遍路さんに見せ「この字は先代住職の字です」などと解説します。そのお遍路さんは「ほー」と声をあげました。そしてこのおじさんは誰に言うともなく「年末始に自分の年と同じ番号の札所をお参りする人も多いですよ」といいました。

長くなりそうなので早々に退散しましたがあとで歩きながら考えるとまさにこの時の、2008年1月1日は自分の数え年と同じ61番の香園寺に泊ろうと予約していたのでした。
まったく気がつきませんでした。 不思議なことを気付かせてもらいました。
満60の厄年をむかえる正月にお遍路ができ、しかも元旦に期せずして数え年と同じ61番の香園寺の宿坊にとまることになっていたこと気がつきました。ありがたいことです。そしてなおもありがたいことにこの4年後、高齢出産の愚息夫婦もここの61番香園寺の子安大師様に祈願したお蔭で無事玉のような男の子を授かることができたのです。直ぐにお礼参りにいきましたが、四国開創千二百年の今年平成26年の8月にも息子夫婦と我々夫婦一同で香園寺に御礼参りに行きます。このような有難い日がこようとは以前は思ってもみませんでした。お参りを続けていると思ってもみない有難いことが起きます。

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