福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

宇宙の営みの壮大さを忘れてはいけないということ

2015-05-08 | お大師様のお言葉
最近ネパールの地震、箱根の火山活動の活発化等また亦不気味な地殻変動の兆候が表れています。

御大師様は「大日經開題」で、宇宙の壮大な営みの前では大山も深い海も一瞬に塵となる、ましてや人間など儚いものだとおっしゃています。地球や宇宙が人間のためにあるような錯覚に陥っているわれわれ現代人に対して、再度謙虚に足元を見直すべきといっておられるのかもしれません。

「隆崇りゆうそうとして頂き見えざるは妙高。渺漫びょうまんとして底知ることなきは溟渤(めいぼく、北溟と渤海)。毘嵐(びらん・世界の初めと終わりに吹く大風)一たび發すれば自ら埃塵となる。日輪七重となれば盡く皆な涸燥す。世上の強鎭(きょうちん・妙高山のように強いものや溟渤のような深い海)すら其れ此の如し。 人間何物か應に常に存すべき。・・」

倶舍論によると宇宙は、「成、住、壊、空」(つまり成立の成劫、安定の住劫、壊滅の壊劫、何も無くなった空劫)を繰り返しており、この成劫のはじまりは「一切の有情の、業の増上力にて空中にようやく微細の風、生ずることあり、是れ、器世間の将に成ぜんとする前相なり。風漸く増盛して、風輪、水輪、金輪等を成立す。」とあります。衆生の業により最初に一陣の風が生じこれが風輪を生じさらに水輪、金輪と次々に宇宙を生成していくといわれています。そのあとは住劫といい宇宙がしばらく存続する期間。そして御大師様がおしゃっている 壊劫 となります。壊劫は七つの太陽が現れ、須弥山をはじめとして、風輪、水輪、金輪などすべてを焼き尽くします。そしてその後なにもなくなった空劫が終わると、業の風が吹き始めます。業の風のエネルギーよって宇宙創造が始まります。風輪・水輪が現れます。そして表面が固まって金輪となり、その中央に須弥山が盛り上がります。その後、天界が始まり、時間とともに次第に迷いや欲望を持つものが現れ、天から人間へ、そして地獄へと落ちるものまで現れ、また各界が生まれます。しばらするとまた地獄から消え初め、また壊劫が始まります。
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