日本紀略 / 天禄三年(972)六月廿八日乙卯条
「廿八日乙卯 神泉苑御修法結願之間 無風なり。件の院の南門顚倒了んぬ。 大雨降る。 効験有り。 度者を給ふ。」
(この前の二十日には「遠江阿闍梨元杲(注)、神泉苑に於いて請雨経法。九箇日を限る」とあるのでこの結願が二十八日だったのでしょう。
(注。元杲は密教大辞典に「914~997.醍醐延命院の学匠。字は真言房。一に延命院僧都と号す。藤原雅楽助農省の子。醍醐山元方を師として剃髪受業。東大寺戒壇に受戒。‥淳祐に傳法灌頂を受け、瀉瓶となる。康保元年勅を受けて神泉苑に祈雨し法験あり。寛空より具支灌頂を受け、廣澤の源底を尽くし、ここに野廣両流の達匠となる。・・天禄三年詔を受けて再び神泉苑に請雨法を修し、功により権律師に任ぜらる。・・天元五年夏三度神泉苑に雨を祈り賞して少僧都に転ず。・・寛和元年六月四度請雨し法験を以て僧正に任ぜられんとせしが之を固辞し、先師元方に大僧都の追贈を奏請せり。永延二年諸職を辞し密定を修すること五載せ、長徳元年二月二十七日寂す。壽八十二。付法に仁海・明観・定観・奝然・寛忠等。・・」
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