分霊
2023-05-02 | 法話
分霊の思想
神道ではすべての存在は始原の大生命たる神の分霊が変化生成したものであると見る。造家三神が変化生成して分霊たる様々の神を生み、その神々がまた変化生成してそれらの分霊である霊を生み、そしてさらにその変化生成として森羅万象が生まれる。人間も動物も植物もまたすべての自然物質も宇宙神=大元霊の分霊をその根源にしている。人々は神を祭ることによってその御稜威をいただき自らの内にある直日霊=大元霊の分霊を増強するのである。
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折口信夫も「男が旅に出るとき残る女性に自分の魂の一部を遺し、女性は自分の魂の一部を預ける。男は旅先で自分の中に携えてきた女性の魂に向かって目に触れた風景を歌い、慰める。これが抒情歌の発生である。」と書いている。
(「神道の神秘、山蔭基央」)