地を盗むと云は。農人が田畑の畔際をかすめ侵する類。水を盗むと云は。五六月旱魃の時。他の田作るべき水を我方に引く類。火を盗むと云は。暗夜に他の燈光をひき。寒天に他の炭火を妄に用ふる類。風を盗むと云は。炎暑の時。涼風を我屋に引く類。多般の事皆準じて知るがよい。又他の智慧をも盗む。禄をも盗む。其の功をも盗む。位をも盗む。官をも盗む等。みな此に例して知れ。
佛物を法に用ふるも盗じゃ。僧に用いるも盗じゃ。法物を佛に用るも。僧に用も盗じゃ。僧物を佛もしくは法に用るも盗じゃ。此類経論律論の中に微細に演説あるじゃ。(仏物とは仏菩薩の供養に用いられるもの,法物とは箱,机,櫃など仏典保持,供養に使用されるもの,僧物とは僧侶が生活するために用いられるもの)
此佛物を法にも用ひず。僧にも用ひず。法物を僧にも用ひず。佛にも用ひぬ様なること。愚者庸人は窮屈に思ふべけれども。さうでない。是等が法性等流の法じゃ。佛法の佛法たる。十善の十善たる。此にあるじゃ。道の道たる。人の人たる。ここに至て天地位定る。梵王帝釈は。此世界あらんかぎりその位に処して動ぜぬと云ことじゃ。日月星辰はこの世界有らん限り規度定て乱れぬじゃ。
佛物を法に用ふるも盗じゃ。僧に用いるも盗じゃ。法物を佛に用るも。僧に用も盗じゃ。僧物を佛もしくは法に用るも盗じゃ。此類経論律論の中に微細に演説あるじゃ。(仏物とは仏菩薩の供養に用いられるもの,法物とは箱,机,櫃など仏典保持,供養に使用されるもの,僧物とは僧侶が生活するために用いられるもの)
此佛物を法にも用ひず。僧にも用ひず。法物を僧にも用ひず。佛にも用ひぬ様なること。愚者庸人は窮屈に思ふべけれども。さうでない。是等が法性等流の法じゃ。佛法の佛法たる。十善の十善たる。此にあるじゃ。道の道たる。人の人たる。ここに至て天地位定る。梵王帝釈は。此世界あらんかぎりその位に処して動ぜぬと云ことじゃ。日月星辰はこの世界有らん限り規度定て乱れぬじゃ。