妙法蓮華経秘略要妙・観世音菩薩普門品第二十五（浄厳）・・2２
三に自在天身。
「應以大自在天身得度者。即現大自在天身而爲説法。」
義疏に曰、自在天身とは欲界の王なり。梵語には婆舎跋提（ばしゃばつだい）、此には他化自在天と云。他の變化せる五欲の境を假て、己が楽とするが故に他化自在天と云。即是魔王なりといへり。浄名經不思議品に曰、維摩居士、大迦葉に語らく、十方の無量阿僧祇の世界の中に魔王と作る者は多く、是は不思議解脱に住する菩薩なり。方便力を以て衆生を教化せんとして、現じて魔王と作れりといへり。
皆是権に化して實類を利益し、或は初心の菩薩を試して堅固ならしむるなり。又一義の意は、自在天とは欲界第五の樂變化天なり。此の天は自ら五欲の境界を變化して楽しむが故に樂變化と云。亦自化すること自在なるが故に、自在天と云なり。
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