四国88カ所お遍路の旅 その6
いよいよ四国88カ所札所巡りは愛媛県に入る。愛媛県と言えば、松山を初め道後温泉、大洲、内子などかつて旅行で出かけた懐かしいところ。その時は、観光目的で、お寺も、観光のついでと言った気持ちで拝観程度。でも今回は違う。88カ所札所巡りという目的のお遍路旅。御大師様にどこかでお会いできるかも知れないという密かな期待を持っての旅だ。松山空港で一緒になった巡礼仲間とともに、といっても、いままで会ったこともない人々。たまたま同じ目的で集まった一行は、バスを使っての伊予遍路旅に出発。
これまでに阿波「発心の道場」23か寺、土佐「修行の道場」16ヵ寺を打ち終えて、伊予「菩提の道場」最初の霊場で、第40番札所 観自在寺へ。松山自動車道西予宇和ICから国道56号へ約50㎞。青く光る宇和海の細やかな入り江と、島々がみせる美しい景観を時折楽しみながらバスは宿毛方面へ。国道56号線から御荘大橋を渡り 観自在寺着。バス駐車場から山門までは、徒歩8分ほどの距離。伊予の国は、第40番札所から、第65番札所まで26か寺ある。第40番札所 観自在寺は第1番・霊山寺から直線距離で最も遠く離れた札所であるために、四国霊場の裏関所とも呼ばれる寺。
第40番札所 観自在寺
本 尊: 薬師如来(伝弘法大師作)
開 基: 弘法大師
創 建: 大同2年(807)
山門を入ると右手に手水場、鐘楼、八角堂が、左に信徒会館が建つ。正面奥に緑の屋根が青い空に映えて美しい本堂。本堂の右手に大師堂。本堂に向かう参道右に自分の干支の守り本尊にお水をかけて願い事をする、八体仏十二支守り本尊がある。本堂、大師堂で納経 。お腹のそこから声を出す様にお経を唱える。その声が唱和すると、仲間との一体感があり、心地よい。無事に巡礼できますように御大師様にお願いする。
境内は広く隅々までよく手入れされている。刈り込まれた芝生に丈の低い、姿の良い松が見事だ。暖かな光を浴びた緑は、目に優しいだけでなく、心にまで優い。境内には平城帝の遺髪を納めた五輪塔、心経宝塔などがある。観自在寺を辞し、バスは北上。宇和島のハイウエイレストランで昼食。国道56号線を進み、岩瀬川手前で左折。正面に明石寺が見える。
第43番札所 明石寺
本 尊: 千手観世音菩薩
開 基: 円手院正澄
創 建: 六世紀前半
坂道を上り詰めると、どっしりした歴史を感じさせる山門がある。更に、石段を20段ほど登ると本堂。本堂の屋根は左右の両端が反り、凝った重厚な作り。本堂外陣の天井絵は、明石寺の信徒が鳥や亀、花や竹と言った絵柄の絵馬を描いて奉納したもの。華やかな色合いが見ていて楽しい。本堂と並んで大師堂。本堂、大師堂で納経。境内の一角に二本の大杉が目に入る。枝を大きく広げ、葉をたっぷりと茂らせた杉の木はお互いにかばい合うかのように、重なり合い、空に向かって伸びている。夫婦杉という。
裏山に向かう小道の前にある案内板には「明石寺は本来の名は「あげいしじ」、現在は「めいせきじ」と呼ばれている。女神が願をかけ、深夜に大石を山に運ぶうち、夜明けに驚き消え去ったという話を詠った御詠歌の「軽くあげ石」からついたと伝えられている」、と書かれている。又他の案内板に明石寺が所在する宇和町の地図があり、寺の周りには「愛媛県歴史文化博物館、宇和文化の里の開明学校、申議堂、高野長英の隠れ家」などがありこの辺りは文化の中心地であることが解る。客殿の裏には「しあわせ観音像」、身の丈2m余、長い袂着物姿で、左手に水瓶をもつ慈悲深いお顔の観音さまが建っていて、暖かなまなざしで人々を迎えてくれる。
この後バスは一路、次の札所大寶寺へ走る。この札所間の距離は長い。 ~つづく~
いよいよ四国88カ所札所巡りは愛媛県に入る。愛媛県と言えば、松山を初め道後温泉、大洲、内子などかつて旅行で出かけた懐かしいところ。その時は、観光目的で、お寺も、観光のついでと言った気持ちで拝観程度。でも今回は違う。88カ所札所巡りという目的のお遍路旅。御大師様にどこかでお会いできるかも知れないという密かな期待を持っての旅だ。松山空港で一緒になった巡礼仲間とともに、といっても、いままで会ったこともない人々。たまたま同じ目的で集まった一行は、バスを使っての伊予遍路旅に出発。
これまでに阿波「発心の道場」23か寺、土佐「修行の道場」16ヵ寺を打ち終えて、伊予「菩提の道場」最初の霊場で、第40番札所 観自在寺へ。松山自動車道西予宇和ICから国道56号へ約50㎞。青く光る宇和海の細やかな入り江と、島々がみせる美しい景観を時折楽しみながらバスは宿毛方面へ。国道56号線から御荘大橋を渡り 観自在寺着。バス駐車場から山門までは、徒歩8分ほどの距離。伊予の国は、第40番札所から、第65番札所まで26か寺ある。第40番札所 観自在寺は第1番・霊山寺から直線距離で最も遠く離れた札所であるために、四国霊場の裏関所とも呼ばれる寺。
第40番札所 観自在寺
本 尊: 薬師如来(伝弘法大師作)
開 基: 弘法大師
創 建: 大同2年(807)
山門を入ると右手に手水場、鐘楼、八角堂が、左に信徒会館が建つ。正面奥に緑の屋根が青い空に映えて美しい本堂。本堂の右手に大師堂。本堂に向かう参道右に自分の干支の守り本尊にお水をかけて願い事をする、八体仏十二支守り本尊がある。本堂、大師堂で納経 。お腹のそこから声を出す様にお経を唱える。その声が唱和すると、仲間との一体感があり、心地よい。無事に巡礼できますように御大師様にお願いする。
境内は広く隅々までよく手入れされている。刈り込まれた芝生に丈の低い、姿の良い松が見事だ。暖かな光を浴びた緑は、目に優しいだけでなく、心にまで優い。境内には平城帝の遺髪を納めた五輪塔、心経宝塔などがある。観自在寺を辞し、バスは北上。宇和島のハイウエイレストランで昼食。国道56号線を進み、岩瀬川手前で左折。正面に明石寺が見える。
第43番札所 明石寺
本 尊: 千手観世音菩薩
開 基: 円手院正澄
創 建: 六世紀前半
坂道を上り詰めると、どっしりした歴史を感じさせる山門がある。更に、石段を20段ほど登ると本堂。本堂の屋根は左右の両端が反り、凝った重厚な作り。本堂外陣の天井絵は、明石寺の信徒が鳥や亀、花や竹と言った絵柄の絵馬を描いて奉納したもの。華やかな色合いが見ていて楽しい。本堂と並んで大師堂。本堂、大師堂で納経。境内の一角に二本の大杉が目に入る。枝を大きく広げ、葉をたっぷりと茂らせた杉の木はお互いにかばい合うかのように、重なり合い、空に向かって伸びている。夫婦杉という。
裏山に向かう小道の前にある案内板には「明石寺は本来の名は「あげいしじ」、現在は「めいせきじ」と呼ばれている。女神が願をかけ、深夜に大石を山に運ぶうち、夜明けに驚き消え去ったという話を詠った御詠歌の「軽くあげ石」からついたと伝えられている」、と書かれている。又他の案内板に明石寺が所在する宇和町の地図があり、寺の周りには「愛媛県歴史文化博物館、宇和文化の里の開明学校、申議堂、高野長英の隠れ家」などがありこの辺りは文化の中心地であることが解る。客殿の裏には「しあわせ観音像」、身の丈2m余、長い袂着物姿で、左手に水瓶をもつ慈悲深いお顔の観音さまが建っていて、暖かなまなざしで人々を迎えてくれる。
この後バスは一路、次の札所大寶寺へ走る。この札所間の距離は長い。 ~つづく~