我が家の下の古本屋で200円で買った。
若い頃に読んだのだがまったく覚えていなかった。
前回が原田マハのTVドラマのような起承転結やドラマチックな展開の小説を読んだ後だったから
余計に淡々と飄々とした8編の短編だった。
そしてこれは小説ではなく、知人や友人から聞いた話をまとめたものという体裁になっている。
村上春樹が人から聞いた事実を誇張することなく書き留めたということにしているのだが、
それがそもそも事実かは判らない。
そういう前提で淡々と描きたかったのだと思っている。
静かだがなかなか印象深い話がある。
村上春樹がそもそも淡々とした小説を書くので、さらにシャラッとしていて、
疲れないのだった。
そして一見すれば面白くない本のように思えるが、好きでもある。
やはり村上春樹はいつのまにか淡々と引き込まれる。
ECMのジャズを聴いてるような心地よさがある。