大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道66

2008-06-06 19:18:17 | E,霧の狐道
  4、お揚げ

 放課後、俺は急いで家に帰った。
目的は、冷蔵庫のお揚げだ。
俺は、家に入るなり、鞄を玄関に放り出して台所に急ぐ。
そして、冷蔵庫を開けて驚いた。

“ あれっ、あれっ、あれっ、ない!!
 何てこった!”

俺は、キョトンと俺を見ている、かあちゃんに言った。

「 お揚げは何処だぁ~。」

俺の慌てぶりを見ながら、暢気にもかあちゃんは言った。

「 残りの半分は、お昼にうどんに入れて食べてしまったわぁ。」
「 ゲゲッツ!!
 何てことをするんだ。」
「 いいじゃん、キツネうどん、おいしかったよ。」
「 あ、そうだ!
 かす汁に入れるから、スーパーで買って来るって言ってただろ。」
「 あ、忘れてた。
 かす汁は、明日ね。
 お揚げ、買って来てないわ。」
「 しまった・・・・・!」

 お揚げが無いと俺の計画は始まらない。
俺はかあちゃんに言った。

「 かあちゃん、お金、お金!
 スーパーに行って買って来る。
 今、無性にお揚げが食べたい。
 食べなければ、死んでしまう。」
「 何、大袈裟なこと言ってるんだい。
 まあ、いいよ、ほら、お金。」
「 ああ、助かった。
 スーパー、行って来る。」
「 慌てて怪我しないようにね。」
「 よっしゃ~!!」



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