大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道69

2008-06-12 19:27:37 | E,霧の狐道
 スーパーは人で混んでいた。
買い物カゴを持ってウロついているオバチャンや、買い物カートを押して通路を行き来するオバチャンをすり抜けて、冷蔵ケースのある辺りに向けて突き進む。

“ 何処だ、何処だ・・・・。
 確か、冷蔵ケースの、この辺りだったような気がするが・・・。
 お揚げ・・・、お揚げ・・・・・。”

 俺は冷蔵ケースの辺りをウロウロした。
でも、冷蔵ケースの中にお揚げが無い。

“ おかしいな・・・?”

俺は、特売のお揚げが無いのがおかしいと思ってスーパーの店員に聞いてみた。

「 えっと、特売のお揚げは、何処?」
「 あ、特売品は、あっちの台です!」

店員の指差す方向に、通路に置いた台が見えた。

“ お、あれか!”

 俺は通路に張り出している特売の台に急いだ。
特売の台には、ダンボールの台紙に白い紙が張ってあって、大きく“お揚げ(本日、特売)”と表示がある。

「 よし、よし!」

俺は特売の台に近付いた。
そして、中を覗き込んだ。

“ あった!
 でも、あと一つか・・・。”

 特売の台に残っている、袋に入ったお揚げは一つだけだった。
特売品だから、お揚げは、最後の一つを残して売り切れていたのだ。
しかし、俺の分が一つあれば、それで充分だ。
俺が特売の台を覗いていると、台を挟んだ向こう側に人影がチラッと見えた。

“ あれっ、誰かいるな・・・?”



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