大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道67

2008-06-08 19:47:09 | E,霧の狐道
 俺は、曰く付きの自転車に跨ってスーパーに急いだ。
この自転車は俺の年では、チョット恥ずかしい。
 俺の自転車の前カゴには、アンパンマンの顔がある。
そして、そのアンパンマンの顔は笑っている。
でも、その笑っている顔はとても善良には見えないのだ。
なぜなら、そのアンパンマンの顔の右半分には塗料の剥がれた傷がある。
これは、前の持ち主が何処かでこけたからだろう。
 正面から見ると、何か悪巧みを思いついてニヤッとしたような笑いだ。
見ようによっては、バイキンマンよりかなり凶悪に見える。
でも、貰い物だから仕方が無い。
 かあちゃんは、貰えるものは何でも貰う。
自転車は、近所のオバサンから、かあちゃんが貰って来た。
要らなくなった理由は、子供が大きくなって自転車を買い換えたと言うことだった。
でも、周辺の子供の噂では、どうも、この自転車を買ってから、その家ではろくでもない事が起こると言う話だった。
 俺は、それを笑い飛ばした。

“ ばぁ~ろぉ~、禍を転じて福となす!
 ガハハハハハハ!!”

ホント、半年間、俺が乗っていても、特に支障は無い。
最も、ろくでもない事は、日常茶飯事だから、この自転車が原因かどうかは分からない。
 でも、不満が無いわけではない。
中途半端なサイズの自転車で、スピードがあまり出ないのだ。
とにかく、早くペダルを漕がなければならないのが面倒だ。


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