俺は、チラッと後ろを見た。
原爆頭は右手に運搬車の荷台に積んであったトウモロコシを持っていた。
“ うおっ、ヤバイぞ!”
俺は、さらに必死で立ち漕ぎでペダルを漕ぐ。
「 ぐおおおお~、坂がきつい!!!」
原爆頭がゼイゼイ言いながら、ジワジワ接近して来た。
俺は必死でペダルを漕ぐ。
“ ううううう!”
そして、後ろで声が聞こえた。
「 くらえっ!!」
トウモロコシが飛んで来て俺をかすめた。
「 うわっ!」
俺に当たらなかったトウモロコシは、俺の自転車の前まで飛んで行って地面に転がる。
そして、そのトウモロコシは坂を下って、こっちに転がって来る。
「 おっと!」
俺は転がったトウモロコシを辛うじて避けた。
後ろで、さらに声がする。
「 くらえっ!!
くらえっ!!
くらえっ!!
くらえっ!!
くらえっ!!」
トウモロコシたちが、後ろからドンドン飛んで来て前に転がる。
そのうちの一つが俺の後頭部に当たった。
「 いでっ!!」
俺の頭に当たったトウモロコシは、回転しながら前カゴにスポンと入った。
原爆頭が、叫んだ。
「 やった、やった、当たったぞぉ~!!」
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