俺は寝たままの状態で、頭だけ起こして田中爺と山本爺のベッドを見た。
起き上がって来る気配も無い。
田中爺と山本爺は、スヤスヤ寝ているようだ。
“ よくこの音で寝ていられるな・・・・。
これだけデカイ音なんだから、爺さんたち眼を覚ますと思うけど・・・?”
でも、爺さんたちの布団の膨らみはジッとして静かだ。
“ 変だな・・・・・。”
俺は頭を枕に戻し、眼を瞑って心を静め、事態の異常さを分析し始めた。
“ これは、ヤッパおかしいぞ・・・・。
この騒音の中で寝ていられるって、どう考えてもおかしいぞ。
う~~ん、これはひょっとして・・・・・。
ホントは音なんかしていないのかもしれない。
これだけの音量だったら、絶対、看護婦が飛んで来る筈。
でも、誰も来ないし・・・・。
寝る前に痛み止めって薬を飲んだよな。
あの時、確か看護婦さんが、何か薬が体に合わなかったら連絡しろって言
っていたし・・。
痛み止めの薬の影響で、俺の耳が変になっているのかな?
薬の影響で幻聴ってこともあるか・・・・。
うん・・・・、でも・・・・?
あ、あ、あ、あ、あ!!
そ、そうか、そうなのか!?
これは夢かも知れないぞ!!!”
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