大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道149

2008-11-23 18:10:30 | E,霧の狐道
 病院の夜は、暗く深く更けて行く。
数時間が経ったような気はしていた。
 俺には暗い闇の中をフワフワと漂っている感覚があった。
海に浮かんだように横になったまま、物音も聞こえず、暑くも無く寒くも無く、深い闇の中をフワフワと漂っている。
そして、漂いながら朦朧とした頭で考え続けていた。

“ 俺は、今、寝ているな・・・・。
 いや、起きている・・・・のかな?
 眼は瞑っているな。
 開ければ、病院の天井が見える筈だ。
 でも、眠いな。
 眼を開ける気は無いし。
  う~ん、しかし・・・・。
 これは、考えている夢を見ているのかな?
 これは夢かな?
 どうかな?
 寝ているのなら、今は夢の中だよな。“

 俺は、漂いながら答えの出ない同じ疑問を反芻していた。
真っ暗な中で、何回かの答えを繰り返したとき、ふと、俺の頭に言葉に節をつけた音が響いて来た。

“ あらっ・・・?”

それは、始め小さな音の繋がりだった。


『 ・・・・おんばあさらえんそわ・・・・おんばあさらえんそわ・・・・。』


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