大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道143

2008-11-11 18:36:33 | E,霧の狐道
俺は田中爺の腹の左側に横線があるのを見付けた。

“ 何故、真っ直ぐで終わらずにL字型なんだろ?”

それで、田中爺の横線を指差して質問した。

「 その横線は?」
「 おっ!!!」

田中爺は、よく聞いてくれたと言う顔をして俺に言った。

「 これは、腸重積の跡やがな。
 腸が腸の中に入って重なる病気やがな。
 小さい頃になったんや。
 それでやな、この縦線と横線が重なった所が、中書島でやな。
 ここで、横の宇治線に乗り換えて終点まで行くと・・・。」

田中爺は、横線に沿ってボールペンを移動させ、終点を指して言った。

「 ここが宇治駅や。
 宇治って、知ってるか?」

俺が首を横に振ると、田中爺は得意そうに笑いながら俺に言った。

「 平等院のあるとこやがな。
 10円玉の絵にあるやろがな!」

俺は、取り敢えず頷いておいた。




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