大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道145

2008-11-15 19:29:39 | E,霧の狐道
俺は、山本爺とお話するのは、一旦、諦めた。

“ まあ、いいや・・・・。
 同じ部屋だから、話す機会はいっぱいあるし・・・。
  それより、腹が減ったな。
 コンビニ弁当食っちゃおう!”

 俺は、山本爺の相手をするのを止めてベッドに座り直し、後ろを向いてコンビニ弁当を食べることにした。
さすがに遅い夕食だ。
コンビニ弁当を膝に置いて蓋を取ると、トンカツが五つに切られて千切りキャベツの上に並んでいる。

「 お、トンカツ弁当だ!
 ムフフフフ、やったァ~!」

弁当に添付してあるソースをトンカツに掛ける。

“ おおっ、うまそうだ!”

ソースの甘い香りが辺りに流れる。
俺は、お茶を一口飲んでから、割り箸でトンカツを一切れ挟んだ。

“ うん・・・・・・?”

一瞬、間を置いて、俺は殺気を背後に感じ、首を右に回した。

「 わっ!」

 そこには山本爺がヨレヨレのパジャマを着て、箸を持って立っていた。
もう、ベッドの近くまで来ている。
パジャマの前が少し肌蹴て肋骨が見えている。

“ うわっ、痩せたゾンビ・・・。
 大変だ、近付いて来るぞ!”

俺は動けないので焦った。



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