大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道141

2008-11-07 18:57:22 | E,霧の狐道
 井上さんが病室から出て行くと、田中爺が、テッペンがハゲたごま塩頭を左右に揺すりながら、コテコテの関西弁で俺に言った。

「 若いから、そんなもん、直ぐに治るでぇ~。」
「 はァ・・・。」

俺は気の無い返事をして、一度頷いてから、山本爺の方をチラッと見た。

「 ・・・・・・・。」

山本爺は、鼻毛を抜きながら相変わらず無言で俺を見ている。

“ 山本爺って、無口な人だな・・・。”

俺は視線をもとに戻し、ベッドに座ったまま病室をキョロキョロ見回した。

“ う~~ん、何か微妙・・・・。”

俺が病室の雰囲気を測っていると、田中爺がニヤニヤしながら、俺に向かって言った。

「 そうや!
 ええもん、見せたろ!」
「 ん・・・?」

突然、田中爺はベッドに座ったまま、俺の目の前で寝巻きの前を肌蹴て胸と腹を出した。



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