大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道153

2008-12-01 19:52:27 | E,霧の狐道
 夢を見ているのなら、特に不思議なことはない。
今日は入院した最初の日だ。
病院に入院した不安から、変な夢を見ているのだ。
夢の中なら、辻褄の合わないことだっていっぱい起こる。

“ とすると、これはヤッパリ夢だな。
 ハハハハ、夢だったら驚くことも無いか。
 何だ、脅かしやがって!
 バカヤロォ~~!”

俺は妙に強気な発言を心の中で言った。

“ でも、あの声は、一体何処から響いて来るんだろ?
 お経のような呪文のような響きだけど・・・・?”

俺は音源を捜し始めた。

“ 上の方から聞こえて来るような気がするが・・・・。”

 仰向けの俺は、暗い天井を端から端までジロジロ見た。
音源は天井の何処かのような気がする。

『 おんばあさらえんそわ・・・・、おんばあさらえんそわ・・・・。』

天井の両端に付けた二台のスピーカーから、同質の声が交差して聞こえて来る感じだ。

“ 病院の入院歓迎アトラクションかな、ハハ・・・。”

俺は夢だと思っていても、ちょっと不安になって弱気な笑いを浮かべる。
そして、悪いことには、天井で響いていた声が徐々にジワリジワリと降りて来る。

“ 何だか・・・、声が上から降りて来るぞ!
 これって、ヤバイくない・・?”

俺は仰向けになったまま、布団に体を押し付けた。



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