大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道155

2008-12-05 20:35:57 | E,霧の狐道
 俺は体が動かなくなっていることに初めて気が付いた。

“ 何だ、こりゃ!?
 目玉を動かすことぐらいしか出来ないぞ。”

頭の中では呪文が鳴り続けている。

“ ありゃ!?”

俺の眼の端が明るい。
ベッドの右側だ。

“ 何だろ?”

俺はベッドに仰向けに寝たまま視線を右に動かし壁を見た。

“ ・・・・?”

右の白壁の下から1m位のところに赤い光の点がある。

“ 何だ、あれは・・・?
 レーザーポインターみたいな赤い点だな・・・。
 あらっ、少し大きくなってきたぞ。”

 赤い点は、段々大きくなって丸い円になる。
その間も、お経のような声が響いている。

『 おんばあさらえんそわ・・・・。』

そして、赤い円は大きくなるに従って、明るさは逆にボンヤリと弱くなった。

“ ・・・・・?”

赤い円が直径60cmほどの大きさまで広がった時、止めの声が聞こえた。

『 おんばあさらえ~~ん、そわか、う~~んん!!』

俺は、終了の“う~~んん!!”の声と同時に驚いた。

「 わっ!!!!」

突然、60cmの赤い円の真ん中からお揚げ婆さんの顔が、ぬ~~っと現れたのだ。

「 ふふふ、来たぞォ~。
 ようやく見つけたわい。
 どれ、ちょっと待て。
 今、そこへ出て行くからの!」



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