俺は体が動かなくなっていることに初めて気が付いた。
“ 何だ、こりゃ!?
目玉を動かすことぐらいしか出来ないぞ。”
頭の中では呪文が鳴り続けている。
“ ありゃ!?”
俺の眼の端が明るい。
ベッドの右側だ。
“ 何だろ?”
俺はベッドに仰向けに寝たまま視線を右に動かし壁を見た。
“ ・・・・?”
右の白壁の下から1m位のところに赤い光の点がある。
“ 何だ、あれは・・・?
レーザーポインターみたいな赤い点だな・・・。
あらっ、少し大きくなってきたぞ。”
赤い点は、段々大きくなって丸い円になる。
その間も、お経のような声が響いている。
『 おんばあさらえんそわ・・・・。』
そして、赤い円は大きくなるに従って、明るさは逆にボンヤリと弱くなった。
“ ・・・・・?”
赤い円が直径60cmほどの大きさまで広がった時、止めの声が聞こえた。
『 おんばあさらえ~~ん、そわか、う~~んん!!』
俺は、終了の“う~~んん!!”の声と同時に驚いた。
「 わっ!!!!」
突然、60cmの赤い円の真ん中からお揚げ婆さんの顔が、ぬ~~っと現れたのだ。
「 ふふふ、来たぞォ~。
ようやく見つけたわい。
どれ、ちょっと待て。
今、そこへ出て行くからの!」
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