大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道157

2008-12-09 19:17:51 | E,霧の狐道
 俺はお揚げ婆さんを見上げた。
赤い円の光に照らされて弱いピンク色をしている病室を背景に、お揚げ婆さんとカエルは白く薄く光っている。
そして、お揚げ婆さんは俺を見下ろして口の両端を吊り上げニタ~っと笑った。

“ ううっ、気持ち悪いヤツ・・・・。”

俺は強がって言った。

「 婆さん、何か用かよ?」
「 ああ、昨日の恨みを晴らしに来たんじゃ。」
「 恨まれることは無いよ。」
「 惚けるんじゃないよ。
 人のお揚げを盗っておいて!」
「 違うよ。
 あれは俺が先に掴んだんだ。」
「 い~~や、ワシのもんじゃ!」
「 違うって!」
「 腹いせに、今から酷い眼に遭わせてやるからなっ!」
「 何だ、婆さん、しつこいぞ。」
「 これから、えらいことが起こるぞ。
 ふふふふ、覚悟するんじゃ!」
「 ・・・・・。」

カエルとお揚げ婆さんがジリジリとにじり寄って来る。

“ これって、絶対、夢だよな?
 まさか、ホントじゃ無いよな・・・。”

大きなカエルのギロギロした眼が、ちょっと怖い。



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