大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道202

2009-03-15 19:11:14 | E,霧の狐道
トメさんは箒を掃く手を止めて、こちらにやって来た。

「 ふふふ、ようやく呼んでくれたね!
 わたしゃ、いつ呼んでくれるのかと待っていたんだよ。」
「 ちょっとの間、この子見ていてくれる。
 この子、神谷貴志君って言うの。
 直ぐに戻ってくるから・・・・。」
「 ああ、いいよ。」
「 じゃ、お願いね。」

井上さんは、一棟に走って行った。

「 いつも忙しい人だわい・・・。」

掃除のトメさんは、井上さんを眼で見送りながら呟いた。
そして、俺の方を見て、ニヤッと笑った。
口の奥の方にある金歯が一瞬光った。

「 あんただろ、処置室で赤い口紅の看護婦を見かけたのは。」
「 えっ、どうして、それを知ってるの?」
「 看護婦の井上さんに聞いたんだよ。
 他の人には見えないのに、井上さんだけには見えるようで悩んでたみたいなん
 だよ。
 でも、他にも見える人がいたって教えてくれたんだ。
 ちょっと、安心したみたいだね。
 あれは、悪さはしないよ。
 気にすることは無いって言ったんだけど、気にしているようだね。」
「 そうか、悩んでたのか・・・。」



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