気を利かせて引っ込んでいた龍平が窓際からこっちに来て、夜の打ち合わせの話をしようとしたとき、病室の扉が開いた。
そして、扉の影から由紀ちゃんが現れた。
俺はムフフフフと嬉しかった。
でも、ここは喜んでいることを悟られないようにしなければならない。
俺は平静を装って由紀ちゃんに言った。
「 あれっ、もう、みんなと一緒に帰ったと思ったのに・・。」
「 ううん、ちょっと忘れ物をしたって言って戻ってきたの・・。」
「 ん・・・・。」
由紀ちゃんはチラチラと龍平を見ている。
それに気が付いた俺は由紀ちゃんに言った。
「 こいつは龍平って言うんだ。
病院友達だし、気にしなくていいよ。
ちょっと、変なヤツだけど・・・。」
「 何処が変なんや!」
「 あちこち・・。」
由紀ちゃんが笑いながら言った。
「 関西の人?」
「 そうやで。」
「 由紀ちゃん、もうちょっと喋らしたら面白いよ。
コテコテの関西弁ばっかり喋るから。」
「 何、アホなこと言うてんねん。
関西は文化の中心やで。
関西人は偉いんや。」
「 ホラ、吉本みたいやろ。」
「 生粋の関西人?」
「 あったり前田のクラッカーや。」
「 それ、何?」
「 昔、てなもんや三度笠ちゅう番組があって・・・。
何でこんなこと説明せんならんにゃ!
もう、ええかげんにせェ、ホントにね!!」
「 ほら、ボケと突っ込みやってるよ。」
「 ふふ、おかしい・・・。」
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