大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道206

2009-03-24 19:28:28 | E,霧の狐道
 龍平と俺が話をしていると、通路の方からガヤガヤと話し声が近付いて来た。
複数の足音も聞こえて、俺は病室の入り口を見た。

“ ドタドタドタ・・・。”

担任の山下先生の声が聞こえる。

「 ここだ、ここだ!」

どうやら、クラスの連中がお見舞いに来てくれたようだ。
 賑やかな塊は病室にゾロゾロ入って来た。
扉の影から最初に現れたのは山下先生で、クラスの友達がそれに続いた。
 来てくれた友達は男が五人で女が三人だ。
前にごちゃごちゃいる男達の後ろに由紀ちゃんの顔が見える。
俺は由紀ちゃんが来てくれたので、ちょっと嬉しい。
龍平は気を利かせ窓際まで移動し、窓から外の景色を眺めている。
 山下先生がベッドに寝ている俺に言った。

「 お~、神谷、どうだ?」
「 骨折してしまって・・・・。」
「 おまえ、川に飛び込んだって聞いたぞ。」

俺は橋の上にいた女の子の話は止めておいた。
また、尾ひれがついて、何を言われるか分かったもんじゃない。

「 自転車が滑って・・。」
「 ホントに色々なことを起こすヤツだなァ。」
「 いや、それ程でも・・・。」
「 それで、学校に来るのは、いつ頃になる?」
「 まだ、退院予定は聞いてないけど・・・。」
「 そうか、じゃ、仕方が無いな。
 また、分かったら連絡してくれ。」



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