「 あんたも見えるんだね。
私には分かるよ。
たぶん、龍平にも見えていると思うんだけどね。」
「 トメさんって、龍平も知っているの?」
「 ああ、小さい頃から知っているよ。
あの子は、こう言う方面は鋭いよ。
青み掛かった白い光が、あの子の体の残像に見えたことがあるんだ。
そう言う人は同類だね。」
「 トメさんも、同類?」
「 ああ、もう、慣れっこだけどね。
井上さんも、微かだけれどそれがあるんだ。
でも、あんたはちょっと違うね。
さっき、中庭に出て来たとき、あんたの残像は青じゃなくて紫が掛かっていた
からね。
以前に、一度だけ見たことあるけどね。」
「 それって、俺に何か危険が近付いているってこと?」
「 いや、そうじゃないと思う。
でも、それ以上は分からないね。」
俺は、トメさんなら理解できると思って橋で出会った女の子の話をした。
そして、トメさんに質問した。
「 女の子は、俺に付いて来た?」
「 そうだよ、おまえは気に入られたんだよ。」
「 ゲッ!」
「 いいじゃないか、モテモテで・・。」
「 いや、ちょっと困るんだけど・・・。」
「 アハハハハハ。」
「 笑ってる場合じゃないよ、ホントに・・・。」
「 そうだね、どうしたもんかね・・・。」
「 追っ払うには、どうしたらいい?」
「 そんなに無下に追っ払うのは可哀想かも知れないよ。」
「 でも、ずっと遊べるって、かなり危険なんじゃないかなァ~。
ず~っとって、一生ってことかなァ~。」
「 一生って、あっと言う間さ。」
「 えっ、それって命を取られて、あっと言う間に連れて行かれるってこと?」
「 いや、人によるんじゃないかな・・・。」
「 えっ、人によるって・・・。
俺の場合はどうなの?」
「 さあ・・・。」
「 あ~、もう・・・。
はっきり、しないんだからァ~。」
「 まあ、そのうち分かるさ、ハハ。」
「 そのうちなんて、手遅れになるかも知れないんだよ。」
「 いや、あんたの思い付くままにやってみればいいんだよ。
それで、いいんだ。」
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