大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道203

2009-03-17 20:20:34 | E,霧の狐道
「 あんたも見えるんだね。
 私には分かるよ。
 たぶん、龍平にも見えていると思うんだけどね。」
「 トメさんって、龍平も知っているの?」
「 ああ、小さい頃から知っているよ。
 あの子は、こう言う方面は鋭いよ。
 青み掛かった白い光が、あの子の体の残像に見えたことがあるんだ。
 そう言う人は同類だね。」
「 トメさんも、同類?」
「 ああ、もう、慣れっこだけどね。
 井上さんも、微かだけれどそれがあるんだ。
 でも、あんたはちょっと違うね。
 さっき、中庭に出て来たとき、あんたの残像は青じゃなくて紫が掛かっていた
 からね。
 以前に、一度だけ見たことあるけどね。」
「 それって、俺に何か危険が近付いているってこと?」
「 いや、そうじゃないと思う。
 でも、それ以上は分からないね。」

俺は、トメさんなら理解できると思って橋で出会った女の子の話をした。
そして、トメさんに質問した。

「 女の子は、俺に付いて来た?」
「 そうだよ、おまえは気に入られたんだよ。」
「 ゲッ!」
「 いいじゃないか、モテモテで・・。」
「 いや、ちょっと困るんだけど・・・。」
「 アハハハハハ。」
「 笑ってる場合じゃないよ、ホントに・・・。」
「 そうだね、どうしたもんかね・・・。」
「 追っ払うには、どうしたらいい?」
「 そんなに無下に追っ払うのは可哀想かも知れないよ。」
「 でも、ずっと遊べるって、かなり危険なんじゃないかなァ~。
 ず~っとって、一生ってことかなァ~。」
「 一生って、あっと言う間さ。」
「 えっ、それって命を取られて、あっと言う間に連れて行かれるってこと?」
「 いや、人によるんじゃないかな・・・。」
「 えっ、人によるって・・・。
 俺の場合はどうなの?」
「 さあ・・・。」
「 あ~、もう・・・。
 はっきり、しないんだからァ~。」
「 まあ、そのうち分かるさ、ハハ。」
「 そのうちなんて、手遅れになるかも知れないんだよ。」
「 いや、あんたの思い付くままにやってみればいいんだよ。
 それで、いいんだ。」




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