日々の出来事 12月27日 ピーターパンとピーターパンシンドローム
今日は、ジェームス・バリーの童話劇“ピーターパン”がロンドンで初演された日です。(1904年12月27日)
ピーターパンはイギリスの作家ジェームス・マシュー・バリーの小説“ピーターパンとウェンディ”の主人公である少年の名前です。
ピーターパンはロンドンの公園で乳母車から落ちましたが、ベビーシッターが見つけられず迷子となって年を取らなくなります。
そして、ネバーランドに移り住み妖精のティンカーベルや親とはぐれて年を取らなくなったロストボーイ等と共に、敵役の海賊のフック船長やインディアンのタイガーリリーと冒険の日々を送る物語です。
この物語の中でピーターパンの仲間には子供しかいないのですが、どうして子供しかいないかと言うと、原文では“子供たちが大人になったようなときには、それは規則違反なので、ピーターは彼らを間引いた”とあり、実はとっても怖ろしいお話なのです。
アメリカの心理学者ダン・カイリーは、ピーターパンを“無責任で・反抗的で・怒りやすく・依存的で・ずるがしこく、そして価値観が世間一般のものや法律を飛び越している”と捉え、精神疾患としての概念“ピーターパン症候群”を唱えました。
ピーターパン症候群は“成長する事を拒む男性”として定義され、対象者は言動が子供っぽいという事のほかに、精神的・社会的・性的な問題を抱え、人間的に未熟でナルシズムに走る傾向を持っていると言われています。
ピーターパン
☆今日の壺々話
ピーターパンシンドローム(ピーターパン症候群)の女性向け説明
大人の年齢に達し身体は立派な成人なのに、精神的に大人になれない、というよりは、大人になることを拒んでいる男性です。
こうしたパーソナリティを、1980年代初頭に米国心理学者ダン・カイリーはピーターパンシンドロームと名づけました。
精神医学の正式用語ではありませんが、パーソナリティ障害に似たコンセプトと言えるでしょう。
(1)ピーターパン症候群とは?
表面的にはプライドが高く立派な大人のように見えても、内心、非常に傷つきやすく臆病な男性。ピーターパン症候群には次のような特徴がみられます。
・12~50歳の男性。
・無責任、不安、孤独感、性役割における葛藤の基本症状を抱えている。
・人生において漠然とした不平不満を持っているが、自分はノーマルだと思っている。
・成長した大人を演じようとし、第一印象はよく、深く知らない人には好感をもたれやすい。
・結婚して父親になり安定した仕事は持っていても、人生は退屈だと絶望している。
・45歳ころから憂うつや苛立ちの症状が強く表れ、それまでのライフスタイルに反抗する
・デートは年下や幼い印象の女性を好む。結婚後は家庭よりも友だちを優先する。
・若いころは職を転々とし必要に迫られなければ働かない。立派なキャリアにあこがれるが努力を嫌う。
・年長になると仕事人間が増える。
・豊かな家庭で育った長男に多い。父親はデスクワーク、母親は専業主婦のケースが多い。
・パーティ好きで、騒ぐのが好き。
人当たりは悪くないけれど未成熟で、積極的に社会に適応していこうとはしないパーソナリティです。
その原因には、経済的な豊かさとこれに反比例する精神的な貧しさや、両親の不和といったことがあるようです。
このことは、1980年代のいわゆるバブル期を象徴する文化でもありました。
(2)自己愛と男尊女卑へ向かうピーターパン症候群の基本的な4つの症状は?
・無責任
過保護に育てられて、自分は特別と思っている。でも、さまざまなことを訓練していないので、自分に自信がない。
・不安
両親の不和、子どもの頃からの家庭の緊張感、温かいコミュニケーションの欠如、遊びと仕事のアンバランスなど、両親の結婚生活の悪影響で不安になっている。
・孤独感
経済的に豊かな家庭で育っているので、働くことへの価値観が崩壊し、時間を持て余している。そこで、流行を追いかけ、たくさんの友だちを作って仲間外れにならないようふるまっているが、神経をすりきらせて結果的に孤独感だけが残っている。
・性役割の葛藤
男らしくあれ、ということに適応できずに、葛藤している。
一言でいえば未熟なパーソナリティは、上に挙げた4つの基本症状が発展して、 ナルシシズムと男尊女卑の傾向を生み、愛を通して成長することを阻んでしまうと言われています。
しかし、ピーターパン症候群の男性たちは、こうした自己愛や男尊女卑を露骨に見せることはなく、表面上はやさしくふるまいます。
(3)ピーターパン症候群の恋愛傾向は?
次のような項目に該当すると、ピーターパン症候群の傾向は強いとされています。
チェック10項目
1、記念日や誕生日といった大事な日を忘れる。
2、ごめんなさい、の一言がどうしても言えない。
3、友達のためなら何でもするが、彼女や妻からの頼みはほとんど無視する。
4、自分から出かけたい時以外は、外出しようと言わないし、何かしようと自分から提案しない。
5、父親とは会いたいと思っているが、いざ目の前にすると深みのない会話しかできない。
6、自分と違う意見に耳を貸そうとしない。
7、不平不満を言うだけで、何もしない。
8、アルコールが入ると人が変わり、カラ元気にはしゃいぎ、理由もなく怒りだす。
9、わけのわからない不安におびえたり、自信が無くなったりする。
10、でも、それには触れられたくない。
(4)ピーターパン症候群の男性に惹かれる女性の2つのタイプは?
ピーターパン症候群の男性に惹かれる女性には2つのタイプがあります。
一つは男性の面倒見が良くて、過保護な母親を演じてしまうウェンディ・タイプ。
共依存に走ってしまうタイプです。
もう一つは、ピーターパン症候群の男性の未熟さに気づいていても、いつかは大人になるだろう、と期待してつき合ってくれるティンカー・ベル・タイプです。
言い換えると、ウェンディ・タイプは甘やかすのに対してティンカー・ベル・タイプは、対等に協力し合って成長したいと願うタイプです。
こうしたタイプが、ピーターパン症候群を抜け出し成熟した男性になっていくには必要です。
とはいえ、本人もつき合う彼女も、そのことに気がついて、十分に関係しあっていくには、途中で大きなストレスにも耐えなければならないでしょうね。
ピーターパン症候群の彼と付き合っているアナタ・・・、大変ですが頑張って下さい・・・。
ビデオ
部活で、ビデオを購入することになりました。
テレビに付けるやつじゃなく、子供の運動会でお父さんが持ってくるビデオカメラです。
高い買い物でしたが、皆でお金を出しあって購入。
その日は先輩達が「試し撮りしてみる」と言って持ち帰ることになりました。
次の日の朝、臨時朝礼で「変質者が出た」との話がありました。
夜中に裸で校内を徘徊していた人物を警備員が見つけたそうです。
その日の午後、「ピーターパン」と書かれた真新しいビデオテープが一本、部室に置いてありました。
子供に世の中を教えた話
交通量の少ない交差点で赤信号の横断歩道を渡ろうとしたら、
園児を連れて散歩中の保母さん(結構かわいい)に、
「 影響を与えるので子供たちが見ている前で信号無視しないでください。」
って言われたとき、ちょっとアウトローな時間に追われるビジネスマンぶって子供たちに、
「 ボク達、ルールを守ってるだけじゃこの世界は生きていけないんだぜ。」
って、かっこつけて去ろうとしたら軽トラに轢かれた。
ネバーランド
今日ね、バイトの面接行ったの。
カラオケの。
それでね、面接が普通のカラオケ部屋で行われたんだけどもうカオス。
凄いカオス。
隣とか上の部屋で普通に客歌ってるの。
こちとら面接で「そうですね、僕の長所は・・・」とか話を切り出した瞬間、
「 100%勇気~!もうやりきるし~かないさ~!」
とか、隣の部屋で忍たま乱太郎歌ってんの。
それもダンディな低い声の男が。
とてつもないカオス。
いい声の男が、忍たま乱太郎。
そして、面接続けていくうちに隣で、
「 乱太郎の乱は、乱交の乱!」
とかダイナマイトなこと言ってんの。
もう苦笑いしかないっしょ。
俺も面接の人も。
そして、ひとしきり苦笑いした後に面接の人が、
「 今、これ歌ってるの店長なんですよ。」
時給720円は、とんでもないネバーランドだった。
クリスマス
俺35才だけど、クリスマスに枕元に靴下置いて寝たら、朝手紙が入ってて「働け」って書いてあった。
二度寝した。
僕はときどき
僕はときどきジャムパンが食べたくなる。
別に空腹でも何でもないのにジャムパンが食べたくなる。
なぜこんなにジャムパンが恋しいのか原因はよくわからないけど、多分産まれてから初めて見たものがジャムパンだったんじゃないかな。
まずジャムパン見て、次に看護婦見て、看護婦の右おっぱい見て、看護婦の左おっぱい見て、最後に母親をチラ見して「おつかれッス」だと思う。
そんなわけで、乳離れはできてもジャム離れのできないまま二十三歳になった僕は今日もコンビニでジャムパンを探す。
そう、まるで母親を探すように。
うそ、ジャムパンを探すように。
そんな僕の目にあるパンが飛び込んできた。
マーガリンとジャムを挟んだ、まさに理想的なパンだ。
しかし名前が「頭脳パン」
悩んだ。
すげー悩んだ。確かにジャムパンは食べたいけれども、
今年二十四歳になる男が「頭脳パン」なんて、頭脳を小さじ一杯も使ってないような名前のパンだけを買うってのはかなり恥ずかしいだろう。
ズボンのチャックが開いててそこからリスが顔を出してるのに気づかないぐらい恥ずかしいだろう。
しかしジャムパンは食べたい、どうしても食べたい。
次のコンビニまで我慢なんて出来そうもない。
しかし頭脳パンだ
「頭脳」パンだぞ。
ジャムパンは食べたいけれど、買うのは恥ずかしい。
万事ガチ休した。
こんなに絶望的な状況は久しぶり、まるで前をライオンに囲まれたまま崖っぷちに追い詰められ、さらに上から銃で狙われながらたっぷり入ったホットコーヒーを運んでる気分だ。
何のバイトだそれ。
おそらく五分は頭脳パンと見詰め合っていただろう。
まるで久しぶりに会った恋人のようだ。
知らない人が見たら織姫と彦星だと思ったことだろうが、周りで笹を燃やされても「あ、あの」としか言えないので頭脳パンを陳列棚に戻し、店から出た。
買えなかったけど、まあいいさ、たかが頭脳パンだ。
しかし何だろう、この心の寂しさは、まるで頭脳パンが恋しいかのように足取りが重い。
一体何故だ。何でこんなに頭脳パンのことが気になるんだ。
ジャムパンだったからか。
ああ、そうか。
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