日々の恐怖 12月22日 地蔵神社(7)
そんなことを言われながらも、次の日もまたMと神社に行った。
Mはにやにやしながら先にたって裏手に回ったが、俺らの神社の前に子猫の死骸があった。
” うわっ・・・・!”
と思った。
子猫の体中、ぼつんぼつんと鉛筆を刺したような穴が開いていた。
「 これ、お前がやったんか?」
Mに聞くと、驚いたような顔をして、
「 いんや、猫の死骸を拾ってきてお供えしたのは俺だが、こんな穴は開けてない。」
ちょっとかすれ気味の声で言った。
それから、猫の死骸を足でひっくり返し、
「 ほら、お前が買った菓子の袋はそのまんまだろ。
たぶん猫は神様が気に入って食ったんだ。」
そんなことを言ったが、俺は気持ち悪くて、神社への興味が、
” サ~ッ!”
と引いていった。
それで俺は、この場を離れたくなって、
「 なあ、これからプール行かないか?」
とMを誘ってみた。
「 ああ、たまにはいいか・・・。」
Mも乗り気になったようで、お参りしないでその場を離れようとした。
そのとき、また、
「 たりない・・・・。」
って声が聞こえた。
俺は、前と同じ声だと思った。
二人同時にあたりを見回したが、人の姿はなかった。
気味が悪くなった俺は自転車まで走って行き、Mも後に続いた。
それで、俺らの家の近くまで全速で自転車を漕いで、お互いプール道具を取ってきてもう一度集合することにした。
けれども、それが俺がMを見た最後になった。
童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ