日々の恐怖 3月12日 山越え
昔(50年くらい前)オカンが子供の時、広島の庄原ってとこに住んでいた。
で、夜になると父親が町の方まで飲みに行くんだけど、酔っ払って帰れないことが何度もあったからオカンが迎えに行っていた。
町まで行くには小さい山を超えないといけないんだけど、普通に行くと20分くらいで越えられるのに、なかなかつかない。
当時10円で借りれた貸し本見ながら、足元は懐中電灯で照らしながら歩いてたんだけど、全然つかない。
すると、
「 おい○○子なにしてんだ?」
って声かけられて、
「 え・・・?」
と振り向くと近所のおじさんだった。
おじさんが言うには、貸し本見ながらその場で足踏みしてるから、様子がおかしいと声をかけたらしい。
その後、
「 狐に化かされたんだ。」
と言われ、お祓いみたいなのするんだけど、頭に草履を載せてしばらく待つだけだった。
その他の人も同じ場所で同じようなことをやってたみたいで、村では、
「 あの場所は化かされる。」
と噂になった。
でも町まで行くにはその山越えが最短距離だから、通るしか無い。
場所は、この辺り。
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今は開けてるけど、当時は小山だったようだ。
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