日々の恐怖 8月22日 古民家(2)
ある日、思い切って姉に聞いてみた。
「 パパとママ、もしかして仲が悪いの?
離婚とかしないよね・・・・?」
すると姉も夜中の喧嘩に気付いてたらしくて、同じように心を痛めていた。
それで思い切ってふたりして母に言った。
「 どうして喧嘩してるの?
2階まで聞こえるような喧嘩は止めてほしい。
聞いてるのが辛い。」
そしたら母はキョトンとして、
「 こっちに来てから夫婦喧嘩なんてしたことないよ。」
って言った。
それに、
「 こっちに来てから家庭菜園やってるし、スーパーまで遠いし、家が大きいから掃除も大変だしで、毎日クタクタだからそんな気力ないわ~。」
って言われた。
その日から私と姉は怖くなって、夜は一緒に寝ることにした。
それから何十年も経って、私も偶然転勤族と結婚した。
ある街でアルバイトをした時に、同じように親が転勤族だった女性Aさんと仲良くなり、色々話をしていたら、住んでた都市がかぶってるのが何ヶ所かあった。
同じ田舎に住んでたことで話が盛り上がっていたときに、ふとその古民家のことを思い出して、
「 こんな不思議なことがあって・・・・。」
と話をしたら、Aさんがビックリしながら、
「 それって○○って村じゃない?」
って言って、それが大当たり。
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