日々の恐怖 8月24日 古民家(3)
こんな偶然があるのかって驚いたが、全く同じ家にAさんも住んでいた。
そしてAさんもその声を聞いて、Aさんは一人っ子だったから怖くて怖くて、泣いて両親に頼んで引っ越したそうだ。
お互いにもうすぐ40歳になろうかって年だったし、今更怖いってのはないけど、好奇心に駆られてふたりで調査の旅に出た。
両親に覚えてる限りの情報を貰って出掛け、現地ではふたりの記憶を頼りに探し出した。
その古民家はわりとあっさり見つかったが、かなり廃屋っぽくなってて誰も住んでなかった。
周辺の人に聞いて回ったりしたけど、さすがに不審者扱いされたのか口は堅く情報なし。
ただ、現地の人が、
「 ひとりだけ、話し相手になってあげたら喜びそうなじーさんがいるよっ・・・。」
て教えてくれて、そのじーさんに聞きに行った。
そうしたところ、昔、古民家の裏の竹林で遺体が見つかったことがあったそうだ。
借金の返済を巡って争って、撲殺されたらしい。
確証はないけれど、
“ もしかしたら、その返済を巡る争いの声だったのかなぁ・・・・。”
と思った。
それで、一応それなりに納得して帰ってきた。
子供の頃の不思議な体験が、思わぬことから同士が見つかり、探偵ごっこの末に一応解決した。
姉に電話して一部始終を話したら、
「 何故、私を誘わない!」
と無茶苦茶怒られた。
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