大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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なんじゃもんじゃ物語223

2007-10-26 18:42:13 | _2-19 港への道
 看護婦さんが、ワゴンを押しながらこちらに動き出しました。
ゆっくりとカラカラ言う音をさせながら近付いて来ます。

“ エレベーター、エレベーター、早く!”

私は、ボタンを押しながら近付いて来る看護婦さんを見ていました。

“ チーン。”

エレベーターが到着する音が聞こえました。

“ 助かった。”

 私は、エレベーターの中に入り、操作盤の方に向かって“1”のボタンを押し、大急ぎで扉を閉めようと“閉”のボタンをガチャガチャ押しました。
エレベーターの扉は、向こうから遣って来る看護婦さんを挟むように両側からスーッと閉まりました。

“ ガタン。”

エレベーターは、下に向かって動き出しました。

“ 良かった・・。”

 私は、ホッとしました。
とにかく、看護婦さんから逃げられたし、後は、一階に行って守衛さんに助けを求めようと思っていたのです。
でも、ほんの数秒で私は後ろに違和感を感じたのです。
操作盤を見ていた私は、少しずつ顔を回して恐る恐る後ろを見ました。

“ うっ・・・・。”

私が乗ったエレベーターの中には、五歳ぐらいの女の子が向こうを向いて乗っていたんです。」




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