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日々の恐怖 12月15日 地蔵神社(5) 

2021-12-15 11:41:30 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 12月15日 地蔵神社(5) 





 砂なんですぐに崩れてしまって不格好なものになったが、2人で5、6個の泥団子ができるとMは、

「 仕上げだ。」

と言って、
その中に、掘り出したアリジゴクを埋め込んだ。
 それを抱えて社殿の裏に戻り、俺らの神社の、鳥居と地蔵様の中間あたりに積み上げた。
そして手をパンパンと叩いてお祈りをした。
何を願ったかとかもう覚えてないが、おおかたテストの点を上げてくれとかそんなことだった。
それが終わると、俺もMも、ひと仕事終えたような充実感があった。
 次にMは、

「 これなあ、できれば鈴つけたいよな。」

って言い出し、

「 小さいのなら家にあったと思う。」

と俺が答えて、翌日もそこに来ることにした。
その日はもう2時間くらい別のところで遊んで、Mとはわかれた。
 それで、次の日、またMとしめし合わせてその神社に行った。
前の日に作った団子を見たら、積み上げたのが崩れて、団子の一つ一つに小指を突っ込んだような穴が開いていた。

「 これ、地蔵様がほじり出して中身を食ったんかな?」

Mはそう言ったが、俺はアリジゴクが自力で逃げ出したんじゃないかと思っていた。
 持って来た小さな鈴と簡単なヒモをくっつけたら、ますます神社らしくなった。
それで拝もうかとなって、二人でヒモを引いてリンリンと鳴らして拝んでいたとき、小さく、

” たりない・・・。”

って呟くような声が聞こえた気がした。

「 えっ・・・・?」

と思ってまわりを見ると、Mが、

「 今、何か言ったか・・?」

って、俺に聞いてきた。

「 いや、なんも・・・。」 
「 たりないって聞こえたと思ったけど・・・・。」 
「 う~ん・・・・・?」











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