日々の恐怖 9月22日 一軒家(3)
第二の遭遇者はBちゃん。
夜22時頃、課題で使う工芸用粘土数kgを自転車でえっちらおっちら持って帰ってくると、玄関先に男が屹立している。
服装もなんだか古臭く、軍服のような感じ。
” ご近所さんかな・・・・?”
と思って、
「 なにか御用でしょうか?」
と声をかけると、ゆっくりと男が振り向く。
男の顔は、目鼻口の部分だけが真っ黒い穴のようになっている。
Bが、
「 うひゃあ!」
と驚いて自転車ごと倒れてしまうと、男もビクッとして雲散霧消した。
自転車が派手に倒れるガシャーンという音を聞きつけ、私とCが、
「 どうしたの?」
と駆けつけると、Bちゃんが顔面蒼白で、
「 玄関先に男がいた。」
と、散らばった粘土パックをかき集めていた。
その後、Cちゃんがネットに接続している調べたところ、
「 これだ!」
大日本帝国陸軍の南方の作業服みたいなものだった。
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