日々の恐怖 2月27日 レクイエム 4
それでも耳をすませて聞いていたが、その後も電話は誰も喋らずで、僕は仕方なく受話器を置いた。
その瞬間、電話が鳴った。
固定電話の番号通知には母の名前だ。
「 もしもし、どうしたん?
こんな時間まで、どこいんの?」
と僕が話し出すと、母親の声が聞こえた。
が、なんといっているかがわからない。
「 なんか電波悪いみたい。
聞こえる?
もしも~し・・・・・。」
そう僕が言うと、母の方の声が次第に聞こえてきた。
「 ・・・は、大丈夫?」
「 え?
なんて・・・??」
そんな感じで答えていると不意に地震のように地面が揺れ始めた。
「 うわ、地震かも。
そっちは大丈夫?」
と答えながらも揺れは大きくなっていく。
「 ・・・・ねんで。」
母の声は相変わらず聞こえにくい。
地震の揺れが大きくなっていく中、
” このままじゃまずい!”
と思った僕は、母親に、
「 ごめん、ちょっと机の下に行くわ!」
といって切ろうとした時、母親の声が鮮明に聞こえた。
「 なにいってんの!
あんたトラックに撥ねられて、今、救急車やろ!」
「 え・・・・・!?」
返事をした瞬間、僕の目の前には白衣の男性がいた。
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