大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道27

2008-03-17 18:27:57 | E,霧の狐道
逆流した多量の汚水と泡が便器から溢れ出した。

「 ギャ~!
 泡が、泡が・・・。」

汚水は洗剤と混じって茶色い泡を吹き始め、俺に迫って来た。

“ 押し返さなきゃ!”

 俺は、左手のホースの先を指でギュッと摘んで、流れ出る水を強くした。
そして、便器から流れ出る泡に向けて放出した。
ホースの水と茶色い泡が混ざって、益々泡が溢れ出した。

「 うわ~!」

俺は、ホースを握る手をさらに強めた。

“ スポッ、ブシュ~!!”

 ホースの水は出なくなった。
でも、遠くに、ほとばしる水の音が聞こえる。
それに、大便器自体の水は止まっていないので、汚水が足元にヒタヒタと押し寄せて来る。

「 うお~っ、足が濡れそう!!」

俺は、個室の汚水から逃げ出した。
そして、手洗い場のホースの抜けた蛇口を見て驚いた。

「 うわ~!」

手洗い場の蛇口から水がすごい勢いで流れて、水飛沫をあげている。

「 止めなきゃ!」


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