大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道28

2008-03-19 19:37:43 | E,霧の狐道
 俺はホースと空の洗剤容器を放り出して、蛇口に急いだ。
そして、右手で力いっぱい蛇口の栓を捻った。

“ ポロッ!”

「 うわ~、抜けたァ!」

 蛇口の栓は、何故か、いっぱいまで開くに捻ってあった。
そして、さらに、俺が開くの方に捻ってしまったので、栓が抜けてしまった。
俺の手には、虚しく抜けた栓だけが残された。

“ ブシュ~!!”

 天井に向けて噴水が噴き上げている。
噴き上げた水は、天井に反射して散らばり、一部は霧のようにトイレに渦巻いている。
そして、渦巻いた霧は蛍光灯の光に照らされてキラキラ輝いていた。
頭には細かい飛沫も降り注いでいる。

「 うお~、冷てぇ~~!!」

 トイレの中が暴風雨警報だ。
個室からは、泡と汚水がドンドン流れ出している。
床も壁も泡だらけだ。

「 こりゃ、もう、ダメだァ!」


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