大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道245

2009-07-18 21:45:45 | E,霧の狐道
 俺は看護婦さんに連れられ、通路をトイレに進む。
俺は通路を進みながら、車椅子を後ろで押している看護婦さんにちょっと訊いてみた。

「 あの~、さっき誰かエレベーターで上に上がって行かなかったですか?」
「 さっきって、今のさっき?」
「 そう、俺たちが通路を来た、ちょっと前・・・。」
「 う~ん、奥の部屋に書類を取りに行ってたから・・・。
 戻って来たら、あなたの足の先と車椅子が扉の隙間から見えたのよ。
 他にも、ウロウロしている人、いるの?」
「 ううん、そうじゃないんだけど・・・。」

“これは見ていないな”と俺は思った。
 トイレに到着したので俺は言った。

「 自分で行けます。」
「 そう・・・。」
「 動けなかったら中から呼びます。」
「 じゃ、ここで待ってるから。」
「 ハイ。」

 俺はトイレの入り口のドアを押し開け中に入った。
看護婦さんはトイレの入り口で俺を待っている。

“ ま、寝る前だからオシッコをしておこう・・・。”

よいしょっと便器の前に立つ。
でも、あまりオシッコは出なかった。





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