日々の恐怖 10月20日 一軒家(10)
兄は、
「 まず、誰か一人でも家にいる時は、このお香を絶やさないこと。
それで動物霊は入れない。」
と、ちゃぶ台の上に白檀のお香の箱を置く。
寝る時用として、巻いてあるお香も。
私とBCは、それを快諾した。
「 もうひとつ。
週に1回だけでいいから、裏の雑木林に、肉とかソーセージと、日本酒をコップ一杯あげて。これは、元々この土地に住んでたモノノケへのプレゼントだから、それだけで奴らは納得する。
あと、夜中にあんまり大きな音でロックとかかけるな。
あいつら、お祭りと勘違いして集まってるんだよ。」
「 そう・・・。」
「 ああ、音楽をかけてもいいけど、夜はあいつらの時間だから、おまえらもそれなりに遠慮しろ。」
これにはハードロック好きのCが不服そうだったが、兄が、
「 君、因縁持ちだから、特に気をつけて。
だって、君、碌な男が寄ってこないでしょ?
どんな男も、君と付き合うとダメ男になるはず。」
と言うと、Cがポロポロ泣き始めた。
Cが、
「 今まで3人の男と付き合ったけど、みんな、ストーカー化した。」
と言うと、兄は、
「 それはね、君に刻まれた因縁だから、君が男を見る目を養うしかないよ。」
と優しく微笑んだ。
これでCも納得してくれた。
私とBはよくわかんなかったんだけど。
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