大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

霧の狐道156

2008-12-07 19:52:32 | E,霧の狐道
 赤い円から抜け出した頭は、円の中に続くモヤモヤした煙を伴って空中に浮かんでいる。

“ ろくろ首ってこんな感じかな・・・。”

それに、お揚げ婆さんの顔はこちらを向いている。

“ 気持ち悪いな・・、あの顔・・・。”

 俺が横目で見ていると、煙は赤い円からモコモコ出て来て首の下にドンドン増えて来る。
そして、増えた煙は徐々に収斂して輪郭がハッキリして来た。

“ お、徐々に形が固まって来た感じ・・・。”

煙が固まると、お揚げ婆さんは白い着物を着てあぐらをかいて座っていることが分かった。

“ あいつ、座っているぞ・・・・・・。
 ここから見えると言うことは・・・・・・。
 あいつ、ベッドの高さに座っているのか?
 じゃ、空中に浮かんで座っているってことかな?”

俺は視線をあぐらの下に向けた。

「 げっ!」

俺はさらに驚いた。
お揚げ婆さんの下には大きなカエルが眼を剥いている。

“ 信楽焼きのでかいカエルにこんなのがあったっけ・・・・。
 でも、置物でも無さそうだし・・・・。”

お揚げ婆さんはカエルの上にあぐらをかいて座っているのだ。
俺はカエルを凝視した。

“ ギロッ!”

カエルの眼が動いた。

“ うわっ、眼が動いたぞ!!
 何だ、何だ、こいつは・・・・。”

どう考えても、この状況は理解に苦しむ。
俺は、お揚げ婆さんとカエルを横目で見ながら考えた。

“ う~ん・・・・。
 うう~ん・・・・。
 そ、そうか!!
 これは、ヤッパ、夢だな。
 お揚げ婆さんとカエルだもんな。
 こんな変なことが現実として起こる筈が無い。
 絶対、夢を見ているとしか考えられない。
 昨日の出来事が、俺の頭に悪い影響を与えてるんだ・・・。”


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Photo Lounge72 ワニ

2008-12-06 20:12:52 |      Photo群

Photo Lounge72 ワニ 画像


     Photo Lounge72 ワニ


         「 獲物は?」
         「 真っ直ぐだよ、父ちゃん!」




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霧の狐道155

2008-12-05 20:35:57 | E,霧の狐道
 俺は体が動かなくなっていることに初めて気が付いた。

“ 何だ、こりゃ!?
 目玉を動かすことぐらいしか出来ないぞ。”

頭の中では呪文が鳴り続けている。

“ ありゃ!?”

俺の眼の端が明るい。
ベッドの右側だ。

“ 何だろ?”

俺はベッドに仰向けに寝たまま視線を右に動かし壁を見た。

“ ・・・・?”

右の白壁の下から1m位のところに赤い光の点がある。

“ 何だ、あれは・・・?
 レーザーポインターみたいな赤い点だな・・・。
 あらっ、少し大きくなってきたぞ。”

 赤い点は、段々大きくなって丸い円になる。
その間も、お経のような声が響いている。

『 おんばあさらえんそわ・・・・。』

そして、赤い円は大きくなるに従って、明るさは逆にボンヤリと弱くなった。

“ ・・・・・?”

赤い円が直径60cmほどの大きさまで広がった時、止めの声が聞こえた。

『 おんばあさらえ~~ん、そわか、う~~んん!!』

俺は、終了の“う~~んん!!”の声と同時に驚いた。

「 わっ!!!!」

突然、60cmの赤い円の真ん中からお揚げ婆さんの顔が、ぬ~~っと現れたのだ。

「 ふふふ、来たぞォ~。
 ようやく見つけたわい。
 どれ、ちょっと待て。
 今、そこへ出て行くからの!」



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霧の狐道154

2008-12-03 20:06:58 | E,霧の狐道
左右から響いて来る声は、俺の頭の上で交差して迫って来る。

“ うわっ!!”

右からやってきた呪文と左からやってきた呪文が、俺の左右の耳から同時にピタッと頭に入って来て“ピキ~~ン!!”と一致した。

“ 何だ、何だ,何だ、これは!
 俺の頭の中で呪文が鳴っているぞ。”

呪文の焦点が俺の頭でピタッと合った感じがする。
それに、俺はフッと思った。

“ ん、この声って何処かで聞いたような・・・・?
 何処だったかな・・・・?”

それほど親しいヤツではないことは確かだ。
でも、聞き覚えはある。
頭の中でピタッと合ったとき、声の質から婆さんだと思った。

“ でも、田舎の婆さんじゃ無いな。”

 俺の母方の婆さんも呪文を使えそうなババアだが、連絡は電話で来る。
それに第一、声の質が田舎の婆さんではない。

“ 誰だったかな・・・?”
 しかし、・・・・・・・・?
 んんん・・・、俺の頭で声の焦点が合ったと言うことは!
 あの呪文は響きながら俺を探していたのかもしれないぞ?
 何か、ア・ヤ・シ・イ・ナ・・・・。
 あれっ!?”



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霧の狐道153

2008-12-01 19:52:27 | E,霧の狐道
 夢を見ているのなら、特に不思議なことはない。
今日は入院した最初の日だ。
病院に入院した不安から、変な夢を見ているのだ。
夢の中なら、辻褄の合わないことだっていっぱい起こる。

“ とすると、これはヤッパリ夢だな。
 ハハハハ、夢だったら驚くことも無いか。
 何だ、脅かしやがって!
 バカヤロォ~~!”

俺は妙に強気な発言を心の中で言った。

“ でも、あの声は、一体何処から響いて来るんだろ?
 お経のような呪文のような響きだけど・・・・?”

俺は音源を捜し始めた。

“ 上の方から聞こえて来るような気がするが・・・・。”

 仰向けの俺は、暗い天井を端から端までジロジロ見た。
音源は天井の何処かのような気がする。

『 おんばあさらえんそわ・・・・、おんばあさらえんそわ・・・・。』

天井の両端に付けた二台のスピーカーから、同質の声が交差して聞こえて来る感じだ。

“ 病院の入院歓迎アトラクションかな、ハハ・・・。”

俺は夢だと思っていても、ちょっと不安になって弱気な笑いを浮かべる。
そして、悪いことには、天井で響いていた声が徐々にジワリジワリと降りて来る。

“ 何だか・・・、声が上から降りて来るぞ!
 これって、ヤバイくない・・?”

俺は仰向けになったまま、布団に体を押し付けた。



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