新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

階段紀行・ヨーロッパ スペイン編③ カタルーニャ広場の不思議階段からピカソ美術館のすっきり階段。そして巨大人形

2022-03-01 | 階段紀行・ヨーロッパ 

 高々と階段が構築されている。が、なぜか段がさかさまに付いており、しかも地面とはつながっていない。

 ここはカタルーニャ広場。空港からシャトルバスに乗って到着するバルセロナの街の中心地だ。いつも大きな荷物を持った観光客などで賑わっている。

 そんな場所にある不思議な階段。この階段を使えるのは重力に逆らうことの出来るスーパーマンだけかも。でも、この階段を使って、どこに到着できるんだろうか、、、?

 バルセロナはピカソが少年時代を過ごした都市。ここからパリに旅立っていった。それで、旧市街地区に美術館が造られている。旧市街地区を散歩していたらピカソ美術館に行き当たり、しかもちょうどバルセロナ1番の祭り当日だったので、無料で入場することが出来た。

 広い中庭に面して階段がある。

 すっきりと気持ちのよい階段だ。

 

 美術館から出ると、祭りのイベントである巨大人形の行列が始まっていた。人の3倍もある大きさの人形が、中世の衣装をまとって通りを進んでいく。

 迫力満点で、子供たちはお父さんの肩車の上で人形に触れたりして楽しんでいた。

 その後入ったカサミラの屋上も少しだけ。

 ここもアント二・ガウディの作品。広い屋上にニョキニョキと立つ兵士のような群像はいつまで見ていても見飽きない面白さだった。

 

 

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階段紀行・ヨーロッパ スペイン編② カサバトリョ下 ガウディの構造物の頂上では、孤独な群衆が無言で夜空を見上げていた

2022-02-26 | 階段紀行・ヨーロッパ 

 カサバトリョの屋上に上ると不思議な風景が広がった。孤独な人々の集団を思わせる構築物が、夕景の中に屹立する。

 まさにドラゴンの背骨、という表現がピッタリの曲線が突き出ている。

 その横では、円柱のタイルが空に向かって伸びる。

 次第に闇が深くなり、構築物は完全にシルエットに変化した。その様は、無言で暮れ行く空を見つめる群衆の姿ともオーバーラップする気がした。

 ライトに照らされた先端は、むき出しの怪獣の歯のようだ。

 夢中で屋上を徘徊しているうちにもう夜も更けてきた。ぼちぼち地上に戻ることにしよう。

 下りの階段。深い地下に導かれて行くような気分になる。

 タイルに包まれた空間を歩いて行くと、かすかに外の照明を感じる場所まで導かれる。

 外に出た。建物の真下から、複雑に屈折したファザードの波動を感じながらさっきまでうろついていた屋上を見上げる。

 最後に、赤くカラーチェンジさせてシャッターを切り、曲線だらけの造形世界と別れを告げた。

 

 

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階段紀行・ヨーロッパ スペイン編① カサバトリョ上 ガウディの魔術が前面に展開される建築の芸術

2022-02-22 | 階段紀行・ヨーロッパ 

今回からヨーロッパの階段のうち、スペイン編に入ります。まずはガウディ作品から。

 バルセロナはアントニ・ガウディの作品があふれている。中でもサグラダ・ファミリアが有名だが、ここでは個人的に大好きなカサバトリョの階段を紹介しよう。

 この建物は、正確にはガウディが建てたものではない。元々は別の建築家が設計したものだったが、改修を依頼されたガウディが、ほぼ全面的にリニューアルして全く別の建物にしてしまった。

 正面、外観は海のうねり、内部は海底をイメージしたとされ、波打つ光が反射するファザードはまさに海を思わせる。中に入ろう。

 エントランスホールの階段は衝撃的。急角度に上昇する手すりが、見るものを釘付けにする。

 アップすると、まるでドラゴンの脊椎のように固く光る木製の階段だ。

 階段脇にさりげなく置かれた装飾物。昆虫を思わせる不思議な形状。

 上った階にあるメインのサロンは、深海から空を見上げているような異次元空間の雰囲気に満たされている。

 窓に取り付けられたステンドグラスも、まさに水泡のようにぷっくり。

 壁面には、果てしなく円の世界が広がる。

 そして天井は境目のないおぼろげ状態の空間が覆う。

 さらに上の階へ。階段の曲線がまた優雅だ。この上にも各所にガウディの魔術が展開される。

 

 

 

 

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階段紀行・ヨーロッパ クロアチア編② ドブロヴニクの夜の階段は、神殿に通じる聖なる階段のように輝いていた

2021-06-01 | 階段紀行・ヨーロッパ 

ドブロヴニクでの宿は民宿を探した。聖イグナチオ教会の敷地内にある民宿に飛び込みで入り、予約できた。

 

 教会に通じる階段は、大きく勾配も急で、昇るのに一苦労。私の前に買い物の荷物を下げて歩く家族連れがいたが、さすがに途中で休憩を取ってから昇っていた。

 この階段は。夜になるとライトアップされていた。まるで神殿に通じる聖なる階段のようにも見えてきた。

 宿と市街地との通行ルートなので、毎日何度もここを通ったが、ある夜の帰り道、この階段でネコと戯れる女の子たちに出会った。純真無垢、まるで天使に遭遇したような気分だった。

 階段下の広場は朝市の会場。新鮮な野菜や果物が盛り沢山で売られており、私もバナナやオレンジなどを何回も購入した。

 大通りはいつでも人で大混雑状態。

 このピッカピカの道路が無人の状態で輝くところを見たい、と思い立った。それで、夜明け前の午前3時過ぎ、ベッドを抜け出して大通りに向かった。そしてみたのがこの光景。

 まるで道路全体が光を発しているかのような黄金世界を、独占することが出来た。

 帰りはアドリア海を横断してイタリア南部の町バーリの港へ。約12時間の長い航海だ。昼の時間帯は、甲板で日焼けに励む人たちで大賑わい。

 海に没して行く夕陽も見る事が出来た。

 

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階段紀行・ヨーロッパ クロアチア編① ドブロヴニク。旧市街の城壁に上る急階段を始め、街は階段だらけだった。

2021-05-29 | 階段紀行・ヨーロッパ 

 

 ドブロヴニクはクロアチア南部・アドリア海に臨む風光明媚な都市だ。中世から地中海貿易の拠点として繁栄、「アドリア海の真珠」とも称される。 そんな都市の、海に突き出した旧市街は、街全体が世界遺産に登録されている。

 

 交易拠点の宿命ともいえるが、常に侵略の脅威にさらされてきた。そのため自治と自由を守るために市街地部分は要塞に囲まれており、今ではその要塞を一周する城壁巡りが観光ルートになっている。

城壁に上る急階段。ここの入口で入場料を払って観光が始まる。

 旧市街は急な傾斜に造られており、その一番の低地がメインストリートになっている。

 その道路は大理石(多分)。路面がピカピカに磨かれていることに、初めて足を踏み入れた時ビックリした。

 大通りから横道に入ると、どこでも階段に突き当たってしまう。

 その脇道は至る所に。

 トンネルのようなポルティコを通って階段の上り降りもしょっちゅうだ。

 坂道に沿ってレストランや土産物店などが軒を連ねる。そんなレストランの1つに飛び込みで入って食べたムール貝のワイン蒸しは絶品だった。

 

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