ミラノ大聖堂の天井まで昇った
高さ100mを越す高さだけに 見晴らしは満点だ
ローマ・サンピエトロ大聖堂に次ぐ 世界的な大聖堂をという
ミラノ領主ビスコンティ家の 壮大な夢で始められた建築
屋根の中央に通路があり そこを歩きながら左右を見渡す
南側には モード・ファッションの街であるとともに
先進的な建築物が並ぶ 現代イタリアの姿が広がる
一方北側には 緑豊かな湖水地方の自然に加えて
スイスから北方ヨーロッパに続く 雄大なアルプスの山並みを見渡せる
そんな風景を見つめるのは 我々人間だけではないのに気付いた
屋根の両側に ずらりと尖塔が並び そのすべての塔の先に
キリスト教の歴史を紡いできた幾多の聖人像が 取り付けられていたのだ
その数 実に136体
聖人たちはこうして ミラノ市民 イタリア国民の安寧と繁栄のために
常に眼下の人々の暮らしを見守り支えるという 役割を果たしているのだ
ミラノ大聖堂が ただ単に堂内での祈りの場であるだけでなく
堂外からも 尊厳の思いで見上げられるのも
こうしたトータルな意味を 持ち続けているせいなのかも知れない