新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

心ふるえる風景 イタリア編㊵ 大聖堂の屋上では 136の聖人が街を見守り続けている

2024-04-09 | 心ふるえる風景・イタリア4大都市編

 ミラノ大聖堂の天井まで昇った

 高さ100mを越す高さだけに 見晴らしは満点だ

 

 ローマ・サンピエトロ大聖堂に次ぐ 世界的な大聖堂をという

 ミラノ領主ビスコンティ家の 壮大な夢で始められた建築

 屋根の中央に通路があり そこを歩きながら左右を見渡す

 

 南側には モード・ファッションの街であるとともに

 先進的な建築物が並ぶ 現代イタリアの姿が広がる

 一方北側には 緑豊かな湖水地方の自然に加えて

 スイスから北方ヨーロッパに続く 雄大なアルプスの山並みを見渡せる

 

 そんな風景を見つめるのは 我々人間だけではないのに気付いた

 屋根の両側に ずらりと尖塔が並び そのすべての塔の先に

 キリスト教の歴史を紡いできた幾多の聖人像が 取り付けられていたのだ

 その数 実に136体

 聖人たちはこうして ミラノ市民 イタリア国民の安寧と繁栄のために

 常に眼下の人々の暮らしを見守り支えるという 役割を果たしているのだ

 

 ミラノ大聖堂が ただ単に堂内での祈りの場であるだけでなく

 堂外からも 尊厳の思いで見上げられるのも

 こうしたトータルな意味を 持ち続けているせいなのかも知れない

 

 

 

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心ふるえる風景 イタリア編㊴ あの豪快なミラノ大聖堂は 実は繊細な装飾細工で覆われていた

2024-04-06 | 心ふるえる風景・イタリア4大都市編

 あの壮大な建築物の てっぺんに昇ってみたい!

 初めてミラノのドゥオモの前に立った時 

 胸の内に ふつふつと沸き上がるものを感じた

 とにかく大きい 全長158m 高さ108mのゴシック大聖堂

 穏やかな木造建築の中で育った者にとっては 異次元の構造物だった

 

 聴いてみると 屋上に昇ることが出来る

 しかもエレベーターまでついているという

 なら 昇らない手はない 早速エレベーターの列に並んだ

 エレベーターの終点から 屋上までまだもう少し

 いくつかの階段を上る途中 想像外の光景が目に飛び込んだ

 建築構造の各所に立ち並ぶ石細工の群れが すごい

 階段 壁面の至る所に 丁寧な装飾が隅々まで施されている

 立ち止まって眺めているうちに ある意味突飛な連想に取りつかれた

 「これはまるで絹織物のようだ」

 「それとも 剛と柔の綾なすタペストリー」 

 14世紀に始まり幾度もの中断を経て 19世紀にやっと完成した大聖堂は

 間近かで見つめることによって初めて

 意外性に富んだ繊細な姿を たっぷりと見せてくれた

 

 

 

 

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心ふるえる風景 イタリア編㊳ ポスターと陽光がコラボして もう1つのメッセージが浮かび上がる

2024-01-25 | 心ふるえる風景・イタリア4大都市編

 イタリアの夏 陽光は予想以上に強烈だ

 街を歩いていると しばしば家の壁の壁面に

 ポスターや広告が 張り付けてあるのに出会う

 

 オペラやコンサートの告知 商品のPRなど

 ただ なぜかそれらのポスターは

 時々 緩めに貼られていることがある

 

 ある日街歩きの最中 そんなポスターを見かけた

 ちょうど 真昼の直射日光が差し込み

 それが少しの 角度の違いに対しても

 光と影のコントラストを 浮き上がらせ

 朝方には気づかなかった 凸凹をも

 鮮烈に 眼前に提示してくれた

 

 特に意図もなく 貼られたポスターで

 見事に明と暗とが コラボレートしている

 

 よく見ると イラストの描かれたポスターに

 こんな文字が 記されていた

 「AVANTI UN ALTRO」

 「もう一つ 前へ !」だ

 イタリアの 陽気でポジティヴな性格が

 こんなところにまで 反映していた

 

 それこそイタリアならではの センスじゃないか

 との楽しい錯覚を 味合わせてくれる風景だった

 

 

 

 

 

 

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心ふるえる風景 イタリア編㊲ ヴェネツィアでは 曇天でも"満月"が姿を見せる

2024-01-21 | 心ふるえる風景・イタリア4大都市編

    

 夕刻 ヴェネツィア・サンマルコ広場に立つ

 広場には通常 メリチェリエ通りから

 時計塔のある大聖堂横に 到着するが

 この日は フェリーチェ劇場に寄ってきたので

 コッレール博物館側から 広場に着いた

 

 少し前まで大聖堂は 夕陽を正面から受けて

 ほんのりと 壁面を赤く染めていた

 もう日は沈み 周囲を黄昏が包み始める

 

 そして 満月

 いや 鐘楼の横に突然輝きだしたのは

 月ではなく

 博物館の横に吊るされた まん丸い電球だ

 日没とともに 点灯され

 例え曇りや雨だったとしても 

 立派に月の代わりを 果たしてくれる

 貴重な 灯かりだ

 

 こんな気の利いた演出を してくれるのは

 ヴェネツィア中心広場 ならではのことかもと 

 一人ほくそ笑む 私だった

 

 

 

 

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心ふるえる風景 イタリア編㊱ 新しい人生はゴンドラで! まぶしい結婚式に出会った

2024-01-18 | 心ふるえる風景・イタリア4大都市編

ヴェネツィアへの 2度目の旅の時だった

教会巡りを始めて 本島中心部にある

フラーリ教会の前に差し掛かった時 歓声が聞こえた

着飾った人たちの群れが 待ち構える中

教会正面から 一組のカップルが

満面の笑顔で 姿を現した

 

結婚式を終えたばかりの 新郎新婦

まるで映画のワンシーンを 見ているかのような

美男美女の 組み合わせだ

大きな祝福 「アウグーリ !」に応える二人

バージンロードを歩いた先には ゴンドラが用意されている

 

小運河に浮かんだ 漆黒のゴンドラに

純白のウエディングドレスが あざやかに映える

 

これからの 新しい人生を 

ゴンドラに乗って スタートするという

まさにヴェネツィアならではの まぶしい光景は

今でも忘れられない シーンとして

心にしっかりと 刻まれている

 

 

 

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