新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

寺社巡り・東京⑮ 浅草寺 東京の一大観光地 五重塔の夜景にしびれ、羽子板市のあでやかさに酔う。

2020-11-21 | 寺社巡り・東京

 浅草寺の創建は628年。以来1400年もの歴史を刻んでおり、毀誉褒貶を経ながらも東京の一大観光地の地位を保ち続けている。

 今年こそコロナ禍で観光客は減っているが、昨年までは年間3000万人という客数を数えていた。

 正面入り口の雷門を過ぎると、そこから仲見世通りが続く。

 次に宝蔵門が控える。ここから斜め方向を向くと、東京スカイツリーがバッチリ見通せる。

 そして手水舎で清めの水を使う。ここにある龍神像は高村光雲の作品だ。

 階段を上がって本殿へ。参拝する善男善女はひきも切らない。

 参拝の後天井を見上げれば、堂本印象作の「天人散華の図」が目に入る。

 祭壇を拝見した後は、回れ右。

 ライトアップされた五重塔に、しばし見とれる。1945年の東京大空襲で炎上したが、1973年に再建された。地上からの高さは53.3m。

 ちょうど年末の羽子板市の日に訪問、派手やかな羽子板を求める人達で賑わっていた。

 じっくり見てみると、本当に美しい女形の姿がデザインされている。

 しばし足を止めて品定めをした。(といっても、購入はしなかったのだが・・・。)

 改めて本殿の夜景をカメラに収めて家路についた。

 

 

 

 

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寺社巡り・東京⑭ 水天宮 スタイリッシュに衣替えした境内に、子供河童が3体も

2020-11-17 | 寺社巡り・東京

 水天宮は子授け、安産を願う人々に厚く信仰されてきた神社だ。

元々は九州久留米藩の水天宮を江戸上屋敷内に分社して開かれたもの。以来「なさけ有馬の水天宮」として江戸庶民の信仰を集めてきた。この言葉は、久留米藩の藩主が有馬家だったからだ。

 境内になぜか河童の像があった。その体の胸、肩、足元に3体の赤ちゃん河童がしがみついていて、それも人気者になっている。

 一方手水舎には龍。こちらはかなり怖そうな顔つきで、人気があるとかいう話は聞かない。

 この提灯の紋は、有馬家の家紋とかかわりがあるのかどうか、そこまではわからなかった。でもよいデザイン。

 本殿とは別に弁財天を祀った社がある。華やかな朱色が目を引く。この弁財天は日本橋七福神巡りの1つとなっていて、参拝者も多い。こちらは学業、芸能、財福の御利益があるという。

 2016年に大規模な改築を行っていて、なんか神社とは見えそうにないスタイリッシュな階段もあった。

 夕方、その階段下から見上げた水天宮は、洒落たホテルの入口にも思えた。

すぐ横の通りは人形町。2基のからくり櫓が設置してあり、江戸火消しと江戸落語のの内容を描いたからくり絵が、毎時飛び出す仕組みになっている。

 

 

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寺社巡り・東京⑬ 根津神社 強運の神社で千本鳥居をくぐり、「吾輩は猫である」を生んだ石で二人の文豪を思う。

2020-11-14 | 寺社巡り・東京

 根津神社を目指して表参道を行くと、まず大きな鳥居に出会う。ここが正面入口だ。

 次に総檜造りの立派な楼門が待っている。

 そして社殿が現れる。これらは徳川五代将軍綱吉が敷地を寄進、権現造りの神社大造営を実施して1706年に完成したもの。その時の本殿、拝殿、楼門など7つの建築物がそっくりそのまま現存しているという。

 つまり、関東大震災や東京大空襲など、他の歴史的建造物が軒並み破壊された中で、奇跡的にそっくり残された、現存する最大規模の江戸神社建築ということになる。「強運の神社」とされる由縁だ。

 楼門に入ってすぐのところに、平べったくて長い石が置いてある。これは「文豪の石」と呼ばれる。

はて!どうして?

それにはこんなエピソードが伝えられている。

1890年、この神社の近く、明治の住所でいうと本郷区千駄木57番地に、2年前にドイツから帰国した森鴎外が住み着いた。そして1年3か月、散策の折に根津神社に立ち寄り、この石に座って憩いの時を過ごした。

 また、13年後イギリスから帰国した夏目漱石が、奇しくも鴎外の住んだ同じ家に引っ越してきた。彼も神社に来てはこの石に座り、作品の構想を練ったという。「吾輩はねこである」はまさにこの時期に発表された作品だ。

 そんないわれから、この石が「文豪の石」と呼ばれている。この2人が住んだ家は現在犬山市の明治の館に移築されている。

 境内では乙女稲荷神社の参道に並ぶ千本鳥居が有名だ。

 社殿の横に長く長く赤い鳥居が連なる。

 これを北から南に通り抜けると邪気がきれいに取り払われるとされる。この日は曇り空。蒸し暑い日だったが、何人もの人が鳥居くぐりに挑戦していた。もちろん私も。邪気がはらわれたかな・・。

 

  

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寺社巡り・東京⑫ 湯島天神 梅の香り、文学の香り、そして絵馬の木の香り。かぐわしき神社だった。

2020-11-10 | 寺社巡り・東京

湯島天神へは、男坂と呼ばれる急坂の階段を上って境内に入る。

すると、正面に拝殿が見えて来る。

 学問の神様・菅原道真公を祀るこの神社が一番賑わうのが二月。学業成就、合格祈願の若者たちがこぞって訪れる。その表れがこの絵馬だ。

まさにその重みで倒れてしまいそうなくらいの量の絵馬であふれる。

受験生でない人たちのお目当ては、このシーズンの梅林。境内に約300本の梅の木があり、2月から3月にかけて、敷地一杯に咲き乱れる。

中でもその8割が白梅。泉鏡花の名作「婦系図」にも描かれたように、白梅が人々の目を楽しませる。また、近年では重松清の「流星ワゴン」でもこの神社が舞台になっている。

本殿は権現造り。

 私が行った時には3月の雛祭りに向けて、ある一角に雛人形の展示が行われていた。

 帰りの道は女坂を歩く。ここは道の両端に梅の花があり、花見をしながらの散歩気分が楽しめた。

    東風吹かば 匂いおこせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ

菅原道真の詩を思い出しながら、帰途に就いた。

 

 

 

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寺社巡り・東京⑪ 東京カテドラル 丹下健三が実現した教会建築の傑作。静謐な内部の光に沈黙する。

2020-11-07 | 寺社巡り・東京

今回から寺社巡りシリーズを再開します。その一回目はキリスト教教会。

 東京カテドラルは、文京区関口にあるキリスト教東京教区の司教座のある教会で、正式名称は「東京カテドラル聖母マリア大聖堂」。

 まず外景を眺めよう。我々が見慣れた一般的な教会の姿とはかなり異なっている。最頂部の高さは40mもある。

 中央の出っ張り部分が、内部から見ると主祭壇にあたる。

 こちらの角度から見るとひしゃげたような姿にも見えるが、これを空から見ると十字架の形が浮かび上がるという。

 最初に教会が完成したのは1899年だったが、第二次世界大戦時の東京大空襲で焼失。1964年丹下健三の設計によって今の教会が完成した。

 中に入ってみると、高さ40mの天窓から光が降り注ぐ。外からだと狭い内部のように見えたが、三角形のように底辺が広がっていて、斜めの空間が光の行方と共に全体を照らすように見える。

 中央には17mの高さの十字架。

 パイプオルガンも。

 このピエタ像は、建物再建を支援したドイツ・ケルン教区から贈られた。バチカン大聖堂にあるミケランジェロの最高傑作のレプリカだ。

聖堂横にはルルドの聖母マリア像がある。フランス・ルルドの街の洞窟で、地元の少女ベルナデッタの前に現れ平和への祈りを勧めたという奇蹟を再現したものだ。

 もう1度祈りを捧げて教会を出た。

 振り返ると十字架塔のが、高く高く空に向かって突き刺さっていた。

 

 

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