日本人作家の作品が多く並ぶエリアにやってきた。
愛くるしい少年の、ちょっとぽかんとした表情。
長崎平和公園の「平和祈念像」を手掛けた北村西望がこんな作品も製作していた。タイトルは「将軍の孫」。
隣は高田博厚の「海」。
さらに隣は佐藤忠良作「マント」。洗練された女性のすらりと立ち上がった凛々しき姿。
同じ忠良作品に、もっと迫力を備えた「若い女」というものもあった。思い切りひねった体からは、緊張感と共にはちきれんばかりの若さが発散される。好きな作品だ。
本郷新の「鶏を抱く女」は、私にはちょっと近づきがたい雰囲気。
朝倉響子作「女」。自らの感情をすべて内面に閉じ込めてそっぽを向いたような姿。こちらの方が、もっと近づきがたいかな・・・。
ならば、自らの意志を持ち何者にもその志を邪魔されまいと、すっくと立つ女性像の方に魅かれてしまう。舟越保武の「道東の春」だ。
これだけズラリと日本人作家の力作が一堂に会した場所はそうそうないだろう。