まず、私が個人的にとても気に入っているスポットから紹介しよう。
千本鳥居の階段だ。全国の神社には多数の千本鳥居が存在する。中でも、京都の伏見稲荷の鳥居が外国人も含めて断然の人気を誇っている。でも、西の伏見稲荷に対して東の代表はここ日枝神社ではないかと思っている。
しかも、ここは鳥居の中の道が階段になっており、下から見上げると空へ、天空へと続くのでは、と錯覚するような瞬間が訪れることもある。
正式な入口は表参道にある大鳥居から。通常鳥居の上方は平行になっているが、ここの鳥居だけは山の形をしており「山王鳥居」と呼ばれている。
この山王鳥居は表、裏、西と3つの参道のそれぞれに存在する。
階段を上って本殿に到着する。ここは江戸城から見ると南西の方角、裏鬼門にあたる(表鬼門は神田明神)。その鬼門を守護する神社として徳川将軍家ご用達の氏神になっている。
社殿前に置かれるのは通常狛犬。でも、ここにあるのは何と「猿」。猿は「えん」とも読め、「良縁」を授かるとの意味があると共に、「魔が去る(さる)」ということで、厄除けにも通じる。
裏に回ると、末社の1つ山王稲荷神社がある。ここには何ともかわいい子狐の土人形が、ずらりと並んでいた。
日枝神社の祭礼は山王祭。神田祭、深川祭と共に江戸三大祭りの1つ。特別なのは所在地が赤坂なので銀座、国会議事堂、永田町など日本の政治経済の中心地を巡行すること。
巫女さんたちも勢ぞろいで行列に加わる。
9基の神輿が53段の石段を上って神社に到着する光景は、なかなかの見ものになっている。