この日2番目の目的地ピエンツァに向かう。
ピエンツァは15世紀、時のローマ法王ピウス2世が、生まれ故郷のこの町を理想の都市にしようと、一人の建築家に全権を委任して構想実現を目指した場所。もともとこの町の名前はコルシニャーノだったが、法王は自分の名前を取ってピエンツァと改名させたという。
ただ、法王の死(1464年)によって改造計画はスタートから5年後で中断、理想郷計画は夢物語となってしまった。
しかし、当時建設された建物は今も残り、内部の改良などで歴史的景観を残していて世界遺産に登録されている。
バスが近づくにつれてピエンツァの町がはっきりしてきた。ここも丘の頂上にこじんまりとした街並みが形成されている。人口2300人、東西400mほどの距離にまとまっている町だ。
バス停は町の西端。ムレッロ門をくぐると町内だ。通りの家々には花が飾ってあったりと、清潔な雰囲気だ。
ロッセリーニ通りに来た。この辺が中心街で、先に見える塔はピッコロミニ宮殿。ピウス2世広場のある所だ。
広場は緑が配置されて落ち着いた空間になっている。ただ、理想郷を目指したにしてはあまりにも狭い感じで窮屈そうにも見える。
奥のロッジャのある建物が市庁舎。
ピッコロミニ宮の前に大きな井戸があった。これを含めてピウス2世が全権委任した建築家ロッセリーニの手による設計だ。
ロッセリーニは、15世紀にフィレンツェ風の街づくりを目指したのだが、結果として目標通りにはならないうちに法王の死を迎えてしまった。
ピッコロミニ宮横では、学生たちが校外学習の最中だった。
土産物店の店先にはピノキオの人形が置いてあった。そういえばピノキオの原作はイタリアの作家だったっけ。