燃えるような日差しの下 サンタンジェロ城に向かった
城へ行くには ローマの歴史を見つめ続ける母なる川 テヴェレ川を渡る
架かる橋は サンタンジェロ橋だ
この橋の手前までが イタリア・ローマ市
橋を渡り切れば キリスト教の総本山
サンピエトロ大聖堂のある バチカン市国になる
大聖堂が建設されて以来 イタリアだけでなくキリスト教世界の無数の信者たちが
その場所を目指して 巡礼を続けてきた
巡礼の最後がこの橋 そこである洗礼の儀式が待っている
橋には10体の天使が 立ち並ぶ
ただ並んでいるだけではなく 彼らはそれぞれに特別なものを持っている
茨の王冠 ムチ 聖衣 槍 そして十字架そのもの
キリストが十字架に架けられて刑死した時かかわった 受難の品々だ
信者たちは バチカンに入国するその場所で改めて
キリストの受難を心に刻んで サンピエトロに向かうのだ
澄み切った青空の下 十字架を抱えた天使像は
空の青に溶け込むかのように 清冽な姿で立っていた