プロチダ島の北端に立つと イタリア半島・ナポリの街が見える
さらにヴェスヴィオ火山の 雄大な姿が浮かび上がる
この火山は起源79年に 未曽有のの大噴火を起こし
ポンペイの街を 火山灰で地中に埋め尽くした
そんな山の頂上付近に 太陽が沈んで行く
空に広がる薄い雲で 全体がヴェールに包まれたような風景だ
手前を航行する 船の姿を眺めながら
街で買った サンドイッチをかじっていると
徐々に山を含む景色が 一層霞の中に隠れはじめ
夕陽は濃いオレンジの球となって 存在感を高めだした
「この瞬間は 私の時間」
主役となった太陽が そう宣言するかのように輝き
数分後には 悠然と山頂に 姿を没していった
それは世界が 静寂という言葉に
支配された 時間だった